6年かけ「津山産マンゴー」 夫婦が手塩にかけ収穫実現 採算度外視で連日出荷中/岡山・津山市

「初めての津山産完熟マンゴーを気軽に味わってほしい」―。6年前から岡山県津山市内で唯一マンゴー栽培に取り組んできた農業・中野明美さん(66)が今夏、本格的な収穫にこぎつけた。ハウス内で赤く熟れたみずみずしい果実が連日出荷され、市内の店頭にお目見えしている。

自営業を還暦で長男に引き継いだのを機に、鹿児島県の生産農家にノウハウを教わり、セカンドライフの楽しみとして妻の紀子さん(63)と苗木の育成から着手。3棟のハウスに2種、230本を鉢植えにし、結実を期待した昨年は春、開花時の温度管理を失敗したためわずかとなり、今季ようやくたわわに実らせることができた。

先月半ばから日ごとに熟してはネットに落ち始め、今月に入って本格化。平均350グラムあり、夫婦で手塩にかけた果実をひとつずついとおしむように収穫している。今月下旬までに1000個以上の出荷を見込む。

真冬でもハウス内をセンサー付きボイラーで25度以上に保つなど燃料費高騰でコストがかさむ中、採算を度外視した値段とし、販売価格は通常の半値程度の1個1000円前後。

中野さんは「糖度は15度以上、果肉もしっかりとして品質には自信がある。本場に負けないマンゴーを手ごろな値段で県北の皆さんに提供していく。来季はさらに大きな果実を目指す」とほほ笑む。

取り扱い店舗は、市内の地産地消センター・サンヒルズ、JA晴れの国岡山産地直売所燦燦つやま、マルイノースランド店と同県鏡野町の鏡野町物産館・夢広場。

マンゴーを収穫する中野さん

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