食品ロス削減で子ども食堂充実 弁当の販売収益を運営資金に

みらいこどもプロジェクトが開いた子ども食堂で、パン作りを楽しむ家族連れ。食品ロスを削減しながら、活動を活発化させる仕組みを構築させる

 食品ロス削減を図る事業で得た資金で、運営する子ども食堂を充実させる取り組みに向け、盛岡市のNPO法人みらいこどもプロジェクト(渡辺史朗理事長)が活動を本格化させている。消費期限が迫り、小売店から回収された精肉を買い取って冷凍保存し、弁当を作って企業などに販売して運営資金を得る仕組み。持続可能な社会のモデルケースとなるか注目される。

 計画では、買い取った精肉を冷凍保存し、同法人に加入する飲食業「秀吉」(盛岡市)の加工施設などで弁当にする。協力する企業の昼食向けに販売。収益は子ども食堂の運営資金とし、子育て家庭向けの弁当配布を現在の月1回から増やしたり、交流イベントを充実させる。

 同法人によると、小売店では、食品卸業者が売り場を借りて精肉を販売するケースがある。卸業者は店舗を毎日巡回できないため、消費期限の1日前でも回収、廃棄されることがある。県内各地の店舗から1日に計約10キロを回収している例もあるという。

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