HiHi Jets／ジャニーズJr・作間龍斗が、NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「どうする家康」（日曜午後8：00ほか）に豊臣秀頼役で出演することが分かった。併せて豊臣勢のキャストとして、宅麻伸、忍成修吾、池内万作ら13人の出演が発表された。
松本潤が主演を務め、徳川家康を演じる「どうする家康」は、誰もが知る歴史上の有名人である家康の生涯を、新たな視点で描いた波瀾（はらん）万丈のエンターテインメント時代劇。脚本は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、「相棒」シリーズ（テレビ朝日系）、「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズ（ともにフジテレビ系）などで知られる古沢良太氏が担当している。
作間が演じる秀頼は、圧倒的なオーラを放つ、豊臣秀吉（ムロツヨシ）の最愛の女性・茶々（淀君）の次男。秀吉亡き後、豊臣家の復活の期待を背負う若きプリンスだ。二条城で成人した秀頼に対面した家康は、りりしく聡明な彼の姿に、圧倒的な脅威を感じる。
大河ドラマ初出演となる作間は、「（HiHi Jetsの）メンバーの井上瑞稀が以前、大河ドラマ『麒麟がくる』に出演したことがあり、それを聞いた時とても驚いたことを覚えています。まさか、自分が大河ドラマに出演できるとは思ってもいませんでした」と抜てきに驚きを隠せない様子。本格的な時代劇にも初挑戦となるが、「戦後間もない時代の作品には関わったことがありますが、それ以前の話には関わったことがありません。所作や言葉遣いなどが難しそうだと映像を見ていて思います。しかし、また自分にとって新しい挑戦ができると考えると興奮します」と気持ちが高まっていることをうかがわせる。
さらに、秀頼役を担うことに関しては、「とても重要な人物だなと驚いています。尊敬する俳優さんの中で『圧倒的な脅威』を視聴者の皆さんに感じていただけるか、自分の中で燃え上がっています」と意欲をにじませ、「20歳の僕よりも若い彼が、多くの命を背負って自らの責務を全うしていたことが信じられません。本当に厳しい環境に生まれ育ち、そんな中でも強く生きていた彼はすごく立派な方なんだろうなと思います」と敬意を表しつつ、秀頼のイメージを膨らませる。
主演の松本との共演については、「松本さんに限らずものすごい俳優さんたちが出演されているので、不安で仕方がありません」と率直な思いを伝えつつ、「松本さんは事務所の先輩なので、しっかりとあいさつをして、失礼のないようにしたいと思っています。視聴者の皆さんに違和感なく見ていただけるように頑張ります」と襟を正した。
また、宅麻が演じるのは、秀吉の若き頃からの友人であり、加賀の大大名で、豊臣家臣の中で圧倒的な軍事力を持つ“五大老”の1人・前田利家。武勇に優れ人望厚く、家康も信頼を寄せる。秀吉の死後、加藤清正（淵上泰史）ら武断派と石田三成（中村七之助）ら文治派の対立を収めようと試みる。
宅麻は「前田利家は、秀吉の友と言える数少ない武将。豪快でありながら強さを秘め、冷静に物事を見る力を備える人物のイメージを持っています。槍使いの名手であったことなどは描かれてはいませんが、家康との関係を含めて知る限りの人物像を心に演じられたらと思っています」と想像を膨らませる。松本が体現している家康については「こんなに奇麗な狸（タヌキ）はいないだろ～と思いながらも、新たな家康像として見させていただいている」とのことだが、「利家が去った後、本領発揮の家康と演じることができないのが残念です」と話す。
忍成は、白い布で顔を隠した才気あふれる名将で、越前敦賀を治める豊臣家家臣の大名・大谷吉継（刑部）役を務める。友人である三成（七之助）と家康が対立を深める中、大病から復帰した吉継の決断が、形勢を大きく変える。
「思いもよらぬ『どうする家康』への出演、とてもうれしいです。家康の人生でもとても重要な場面に登場できて光栄です」と喜びを伝える忍成は、「優秀な縁の下の力持ち。とても切れ者のイメージはありますが、前に出てきて目立つような印象はありません。どちらかというと事を荒立てないような調整役の印象です。ただし、事が起きれば義を重んじる侍らしいところが魅力です。真田信繁の義父であるのも好きなところです。そして、病気の症状を隠すために肌を覆っていたというビジュアルの印象は強いです。戦の指揮も執れて政治の手腕もある優秀な人。三成との友情も魅力的です。大谷吉継を演じさせていただくにあたって、自分のなかでは義理堅いが少しミステリアスな印象があります。さらには、三成よりも武士らしい気骨もあり文治派と武断派の間を取り持とうとする大事なポジションだと思います」とたくさんの魅力を上げながら、演じる吉継の印象を語る。
そして、「七之助さんは初めてご一緒させていただきますが、とてもいいお声で感動しました。松本さんはとても熱量があって、その存在感やエネルギーにこちらも触発されております。頼もしいお二人なので、胸を借りて大谷刑部の最期まで演じきりたいです」と意欲を持って撮影に臨んでいる。
また、唐入り（朝鮮出兵）では先陣を務め、快進撃の中心的役割を果たした秀吉の信頼厚い大名・小西行長役を池内、三成がその才覚にほれ込み、三顧の礼をもって召し抱えた武将・嶋左近役を高橋努。武闘派で知られる秀吉の参謀・軍師官兵衛の息子・黒田長政役を阿部進之介。秀吉の天下取りを支えた勇猛果敢な武将だが、徳川と婚姻関係を結び、三成の怒りを買う蜂須賀家政役を武田幸三。羽柴秀長（佐藤隆太）の下で活躍し、秀吉死後は武将の心を解さない三成に見切りをつけ、いち早く家康支持に転じる藤堂高虎役を網川凛が務める。
演じる小西行長を「今まで演じた中でも屈指の興味深い人物」という池内は、「薬屋に生まれ商人から武将へ、秀吉の家臣へと取り立てられ戦国の世で出世をしていったキリシタン。そして言い方が悪くて申し訳ないんですが、小西行長のようなむちゃくちゃなうそを（しかも何度も）ついた人をほかに知りません。そのうそは豪胆さからか小心さゆえか、はたまた博愛主義からだったのか…」とその理由に触れ、ムロ、七之助との共演に関しては、「まだ撮影して数日ですが、時間が経つにつれてなんとなくチーム感が出てくるのがご一緒していて面白いですね。個人的に、豊臣家の家臣団の一員として関ヶ原に突入していくのが楽しみです。そういえば関ヶ原の戦いは初参戦かもしません。どんな撮影になるのか今からとても楽しみです」と期待を持って参加している。
高橋は「嶋左近、まずは謎大き人物という印象です。武将として有名でカリスマ性もある人物なので、どこかキレのある芝居ができればと思ってます。松本潤さんとは長年お酒を酌み交わしてきた仲ですが、初共演で、さらに『どうする家康』の世界に入れることがうれしく光栄です」と松本との共演を喜び、阿部は「幾度となく描かれてきた石田三成と黒田長政ら武闘派大名の確執は、今作においてはどちらが悪ともならない描き方をされています。でも、ある人にとっての正義は、ある人にとっての悪。私は黒田長政の正義を信じて演じます。その先に何があるのか。史実だけでは見えない両者の感情を見届けていただければ幸いです」と呼び掛ける。
演じる蜂須賀家政について武田は、「ストレートな性格で最前線で戦うことを望む武将らしいところもありますが、お家のために政略結婚を画策したり、関ヶ原では子の至鎮と、敵・味方に別れるなどして蜂須賀家を守るところもあり戦国時代で生き残るための行動、判断を本能で察知し生き残った武将だと思います」と解釈を明かし、「私が経験した命のやりとりの経験を、蜂須賀家政を通して表現をし、『どうする家康』に貢献させていただきます」と元キックボクサーという経歴を生かして、作品に取り組む。
大河ドラマ初出演となる網川は「大河の時代劇は役者なら誰しも一度は出演を願う憧れの場です。今回初参加させていただけることを大変光栄に思いつつ、本当に楽しみしかありません」と心を躍らせ、「藤堂高虎は知将、築城の名手、主を7回変えた猛将、とさまざまな側面を併せ持った印象の武将です。足軽の出、外様でありながら家康臨終の際には枕元に招かれるほど信頼されたその人柄は、合理的精神と忠義の人なのだと思います。家よりも人を重んじる、その部分を根底として大切に演じていきたいです。今作を通じて藤堂高虎という人物に興味を持ってくれる人が増えたらうれしいです」とメッセージを寄せている。
さらに、藤吉郎時代から秀吉に仕える五奉行の最古参。唐入りの際には反対の意を示し、秀吉に苦言を呈することもできる浅野長政役を濱津隆之。家康とも関係を築く老獪（ろうかい）な政治家で、前田玄以としても知られる豊臣五奉行の筆頭・徳善院玄以役を村杉蝉之介。秀吉に才を見いだだされた豊臣五奉行の1人で、長宗我部・上杉らとの対外交渉を担当した増田長盛役を隈部洋平。高い算術力を誇り、豊臣政権の財政を一手に担う五奉行最年少で、実直な性格で三成を慕う・長束正家役を長友郁真。秀吉の政治顧問で外交役も務めた臨済宗の僧であり、唐入りをもくろむ秀吉に入れ知恵し、泥沼の戦へと突き進む原因を作った西笑承兌役をでんでんが担当する。
濱津は「演じる浅野長政は、間違っていることは間違っているとはっきり言える、自分をしっかり持った人だったのかなと。どこまで登場してくるのか分かりませんが、『そんな人間じゃないです』と上からご本人にしかられないようにやっていきたいと思います」と抱負を述べ、「戦乱の時代をそつなく？ ずる賢く？ 立ち回ってたくましく生きた切れ者だったのかな？」と演じる徳善院玄以について分析する村杉は、「自分に全く無い資質を持った人物を大河ドラマで演じるプレッシャーに押しつぶされそうになりながら台本と向き合っています。“どうする家康版”の玄以になれたられたら…と思っています」と心境を明かす。
「まさか自分が戦国武将を演じることになるとは青天の霹靂（へきれき）だった」という隈部は、「しかしながらこの増田長盛。豊臣政権の中枢五奉行の1人ではありますが、1発アウトの不穏な時代に主君のむちゃな要求にもめげずに、人の顔色をうかがいながらこのパワーゲームを一生懸命に乗り切ろうとする生き方は、自分ととても通じるものが多々あり、役をつくる助けになっています」とコメント。
長友は「家康の家『岡崎』で育った身として、絶対に出演したいと思っていたので、お話をいただいた時はうれしくてたまりませんでした」と喜びを伝え、「五奉行最年少の長束正家を彷彿（ほうふつ）とさせるかのように、そうそうたる顔ぶれの先輩方に囲まれての撮影になりますが、臆せず挑んでいきたいです。仕えていた丹羽長秀、慕っている石田三成に強い敬意を表し、気難しいだけではなく、どこか愛嬌（あいきょう）のある正家を演じられたらと思っています」と役づくりに触れている。
でんでんは「西笑承兌は、余り評判はよくない人間のようです。しかし、天下人・秀吉と家康に仕えたほどの人物、決して腹芸だけではなさそうだ。戦国時代を闘い抜いた男。どっしり肝のすわった西笑承兌をバチッと愛を込めて演じたいと思います」と力を込め、「今までの家康、秀吉は肖像画に似せてのキャスティングが多かったと思います。今回のどうする家康ではむしろ真逆ですね。興味が湧きます。（松本とムロ）お二人の役づくりに対する切り口が楽しみですね」と期待している。
