記録的な暑さが続き高まる冷房の需要と懸念… 安定したエネルギー供給のために都が取り組む「地域冷暖房」とは

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、電力のひっ迫が懸念される近年で都市機能を止めないために都が取り組んでいる「地域冷暖房」によるエネルギー供給を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #17 地域冷暖房

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、安心して暮らせる街を支える、ある施設を紹介します。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。
その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ。備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。

頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。今回のテーマは、「電力への備え」です。
記録的な暑さが続く今年の夏。冷房の需要が高まるにつれ懸念されているのが電力不足。
東京都では、電力の「HTT」を推進し、無理のない範囲での節電を呼びかけています。

(丸の内熱供給株式会社 新田博之さん)「大手町・丸の内・有楽町エリアを中心に、地域冷暖房事業を行っていて、主に空調用に使用する熱エネルギーを製造して供給しています。一カ所で集中して製造することで、エネルギーの消費量を抑えることが可能になります」

地域冷暖房システムとは、通常、建物ごとに設置する空調設備の役割をプラントという施設に集約。
プラントで冷水や温水、蒸気といった熱エネルギーを作り、エリア内の建物に供給。
それを熱源として利用して、冷暖房や給湯を行います。
1カ所で管理して過不足なく供給することで、燃料の消費量を削減することができます。
大手町・丸の内・有楽町を中心とした六つのエリアでは、23カ所のプラントで100を超える建物や施設に熱エネルギーを供給。
専門の技術員が24時間体制で運転を管理し、街を支えています。

この大規模な地域冷暖房システムの熱エネルギーの供給を可能にしているのが、地下20mにある洞道や地域配管のネットワーク。

(丸の内熱供給株式会社 新田博之さん)「プラントで製造した熱エネルギーを供給する地域配管が通っています。供給網としても、大きな幹線が一本通って、そこからビルに供給できるということで、エネルギー消費のメリットにも秀でています」

私たちの足元に張り巡らされた地域配管によって、安全に効率よく届けられる熱エネルギーが、電力ひっ迫への助けとなります。
また、地震の影響を受けにくい地下に作ることで、災害時にも安定したエネルギーを供給。さらに…。

(丸の内熱供給株式会社 新田博之さん)「非常時には、帰宅困難者の受け入れスペースへ電力を供給する仕組みを整えています」

災害時に備えて、自家発電設備を整備。
帰宅困難者受け入れるビルへ電力を供給することができます。
暮らしを守る備えは、私たちの足元で進んでいます。

東京都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

© TOKYO MX