チヌ料理 「くせなく食べやすい」 県水産研究所 需要増へ親子に紹介

森下会長(左)のチヌのさばき方に見入る参加者

 岡山県は4日、チヌ(クロダイ)の調理法やおいしさを知ってもらう親子対象の体験型プログラムを県水産研究所(瀬戸内市牛窓町鹿忍)で開いた。県沿岸部でチヌによる養殖ノリやカキの食害が深刻化しており、食材としての需要を喚起して漁獲量を増やし、被害の抑止につなげようと初めて企画した。

 県内の小学生と保護者計約20人が参加した。地魚の消費拡大を目指す官民団体「岡山水産物流通促進協議会」(通称・おかとと)の森下倫年会長(71)らがさばき方を実演し、切り身を揚げてポテトフライを添えた「フィッシュ&チップス」を振る舞った。

 岡山市立石井小3年の児童(8)は「チヌを初めて食べたけどおいしい」。母親(41)は「くせがなく食べやすい。店で見つけたらできるだけ手に取るようにしたい」と話した。

 同研究所でチヌの栄養価の季節的変化などを調査している竹本浩之研究員の講話もあった。竹本研究員は、チヌは高値で売れないため、好んで狙う漁師が少なく、多くの個体が生息していることを説明。「食害は年々深刻化しており、無視できなくなっている」などと訴えた。

チヌを使った「フィッシュ&チップス」を食べる参加者

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