「藤井くんっていう強い小学生がいるんだけど師匠になる気ない?」 藤井聡太七冠と“王座挑戦権”かけて戦う豊島将之九段は かつて杉本昌隆八段からそんな話を持ちかけられていた…

前人未踏の八冠を目指す、藤井聡太七冠と王座戦挑戦権をかけて戦う豊島将之九段(33)。豊島九段も愛知・一宮市の出身で、愛知県出身同士の対局となっています。

豊島九段は、これまで「竜王と名人」を同時に保持したことがある実力者。過去に竜王2期、名人1期、叡王1期、王位1期、棋聖1期を獲得した、トップクラスの棋士ですが、竜王と叡王のタイトルは藤井七冠に奪われてしまいました。

愛知県出身同士っていうだけじゃなくて、タイトルを奪った、奪われたという関係でもあったわけですね、大石さん。

(「チャント!」大石邦彦アンカーマン)
「そうですよね。タイトル戦でも顔を合わせていて、将棋界を引っ張っている、お二人なんですけども、実はこの2人、ご縁があるというか“因縁”があるんですね。

まずは2人の対戦成績を見てみましょう。

「豊島さんはかつて“藤井キラー”だった」

過去32回対局して、藤井さんの21勝11敗、藤井さんが大きく勝ち越しているんですね。ではこれまでの戦績を見てみましょうか?

32回、星取りにしてみますと、藤井さんがデビューした頃は、実は6連敗してるんですね。豊島さんは“藤井キラー”だったんです。

しかし、その後今度は逆にですね、藤井さんが豊島さんに勝ちまくるという、藤井さんが“豊島キラー”になって、21勝11敗という対戦成績になるんです。

なぜ豊島さんは最初、藤井さんに勝てたかというと、お2人が、同郷愛知県出身だからということも言えると思います。豊島さんは、藤井さんが小学生の頃からずっと知っていて対局もしてました。なので藤井さんの弱点を知り尽くしていたそうです。

だからその弱点を突くことによって、ずっと勝つことができたんだけども、藤井さんの成長が早くてですね、藤井さんがどんどん豊島さんに追いつき、追い越せの状態になって、この白星が重ねられていったということのようなんですね。

「藤井七冠を誕生させたのは豊島九段!?」

「そして実はこんなエピソードがあって、実は藤井七冠を誕生させたのは、豊島九段じゃないかっていう話なんです。

これ何かというと、杉本師匠が、藤井くんがまだ8歳の頃ですよ。『藤井くんっていう強い小学生がいるんだけど、師匠になる気ある?』って豊島さんに1回話をしたことがあるそうなんですよ。豊島さんが、まだ20歳そこそこの頃です。

そしたら豊島さんが『いやいや僕は若すぎます。杉本さんが師匠になるべきです』と進言したのが豊島さんだったんです。

つまり豊島さんが進言しなかったら、もしかしたら、藤井七冠は生まれてなかったかもしれないんです。というエピソードがあるんです。

もし藤井さんがいなかったら、豊島さんは今、2つか3つタイトルを取っていてもおかしくない人なんですね。そういう方が4日、どんな勝負をするのか…まさに注目です。

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