らんまん第18週振りかえり・ヒメスミレ

裕福な造り酒屋の跡取り息子として生まれた主人公が、やがて植物学者となり天真爛漫に生きる姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。8月5日は、「ヒメスミレ」と題する第18週(7月31日〜8月4日放送)を振りかえる。

ヒメスミレの花を見つめる万太郎(神木隆之介)(C)NHK

主人公・万太郎(神木隆之介)は水生植物「ムジナモ」の論文を完成させたものの、論文に田邊教授(要潤)の名前を記載していなかったことから田邊の怒りを買ってしまう。友人の波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)、講師の大窪(今野浩喜)による懇願もむなしく、万太郎は東京大学の植物学教室から追放される。

さらに万太郎は、大学への出入りを禁じられるのみならず、土佐の植物目録と標本500点を寄贈するように告げられ、失意のまま帰宅する。万太郎の話を聞いた妻・寿恵子(浜辺美波)は納得がいかず、「万太郎さん、頑張っていたのに」と深く心を痛めるのだった。

万太郎は、大窪の力を借りながら論文を書き直し、植物学雑誌を刷り直す。波多野と藤丸も万太郎を許すよう嘆願したものの、田邉教授の気持ちは変わらないという。それでも諦めきれない万太郎は、田邉教授の自宅に足を運んで図鑑を作りたいという野望を真摯に訴える。

田邊(左、要潤)からあることを告げられる万太郎(神木隆之介)(C)NHK

しかし田邊からは、田邊が新たな植物図鑑を作ること、万太郎が自身の図鑑発行を諦め自身に尽くすなら許してもいいと告げられる。失意のあまり一晩中歩き回っていた万太郎を迎え入れた寿恵子は、「万太郎さんは終わらない。終わるもんですか」と励まし、万太郎は妻と娘の存在に支えられるのだった。

万太郎は、幼き頃から敬愛する植物学者の野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)のもとを訪ね、博物館で研究させてもらえないか頼む。2人は大学と協力関係にある博物館では万太郎を迎え入れることができないものの、万太郎を認めてる人はほかにもいると勇気づける。

落ち込んで帰った万太郎のもとに、高名な植物学者・マキシモヴィッチ博士から万太郎を高く評価する手紙が届いていた。その手紙を見て感動した万太郎は、寿恵子に「マキシモヴィッチのもとで研究するためにロシアに行きたい」と頼み込む。寿恵子は第二子の出産を待ち、そして家族を決して離さないことを条件に、槙野一家でロシアに移住することを承諾するのだった。

峰屋で起こったある事態に頭を下げる竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)(C)NHK

寿恵子と娘の園子を連れてロシアへ行くことを決めた万太郎は、実家の造り酒屋「峰屋」に渡航費の相談をしようと考えていた。しかしその矢先、峰屋では酒蔵の酒が火落ち菌によって腐造してしまい、窮地に立たされてしまう。万太郎に代わって峰屋を継いだ姉・綾(佐久間由衣)とその夫・竹雄(志尊淳)は、峰屋の暖簾を下ろし廃業するという苦渋の決断を下し・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、愛する植物のために一途に情熱的に突き進む植物学者とその妻の波乱万丈な生涯の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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