大潮の夜の生命の営み 三浦半島の干潟でアカテガニが産卵 波打ち際で体震わせて

海岸の波打ち際で幼生を放つアカテガニ=3日夜、三浦半島

 三浦半島の干潟に、今年もアカテガニの産卵(放仔=ほうし=)シーズンがやってきた。新月や満月前後の大潮の夜に見られる生命の営み。9月中旬ごろまで続く。

 日頃は森林内に生息するアカテガニだが、盛夏になると産卵のため海岸に集まってくる。穏やかな波の3日夜も、メスのアカテガニが草むらから次々と姿を見せ、波打ち際へ。潮が満ちた岩場や砂場で数秒間、体を懸命に震わせ、卵から成長してエビのような姿になった微小な幼生(ゾエア)を海中に放出していった。

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