プラクティストップはA.エスパルガロ。ホンダは新エアロを投入/第9戦イギリスGP

 MotoGP第9戦イギリスGPの初日セッションが行われ、MotoGPクラスはプラクティスでアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)がトップでQ2進出を決めた。

 苦戦が続くホンダ勢は、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)に新たな空力デバイスが投入されたが、中上は20番手でQ1からの予選となる。

 2023年シーズン後半戦の幕開けとなるイギリスGPは、2012年ぶりにピットを含む複合施設「シルバーストン・ウィング」があるインターナショナル・パドックが使用され、このためにハミルトン・ストレートがスタート、フィニッシュラインとなった。

 今大会には、開幕戦ポルトガルGPで負った負傷により長期にわたる戦線離脱を余儀なくされたポル・エスパルガロ(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)と、イタリアGPの転倒負傷により欠場が続いていたジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が復帰した。イタリアGPのスプリントレースで右足を骨折したアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)は今大会も欠場。イケル・レクオーナが代役を務める。

 フリープラクティス1は、気温16度、路面温度26度のドライコンディションで始まった。金曜日のシルバーストン・サーキットは曇天となり、日差しがない分、体感温度の低い天候となった。

 セッションの序盤からトップに立ったのはマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)で、2番手にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、3番手にルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が続く。

 その後、3番手にホルヘ・マルティン(プリーマ・プラマック・レーシング)が浮上したが、ベゼッチのトップとアレイシ・エスパルガロの2番手は変わらないままセッションは終盤に入った。

 残り時間5分、各ライダーが自己ベストを更新し始め、トップを含めて目まぐるしく順位が入れ替わる。しかし、最後のアタックでベゼッチが2分00秒295を記録して、トップに浮上。ベゼッチがフリープラクティス1を制した。

 2番手はマリーニ、3番手はマルティン、4番手はヨハン・ザルコ(プリーマ・プラマック・レーシング)で、4番手までをドゥカティライダーが占めた。5番手にはジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)が食い込んだ。

 ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は10番手、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は14番手にとどまった。また、ホンダ勢としてはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)の15番手が最上位。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は新しい空力デバイスを投入し、18番手だった。

 午後に行われたプラクティスは、今大会から予選のQ1、Q2を分ける唯一のセッションとなった。Q1にダイレクト進出を果たすためには、このセッションでトップ10以内に入らなければならない。

 気温、路面温度は午前中からほとんど変わらず、気温17度、路面温度25度のドライコンディション。序盤はブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がトップに立ち、2番手にベゼッチ、3番手にバニャイアが続く展開となる。セッション中盤に入ると、ベゼッチがタイムを更新してトップに浮上、また、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)も2番手にポジションを上げた。

 残り時間10分を切るころ、タイムアタックが始まる。ミラー、ビニャーレスがトップに立ったのち、そのタイムをベゼッチが更新した。しかしベゼッチは残り時間5分、7コーナーでハイサイド転倒を喫する。

 残り時間2分を切って、マルティンがトップタイムをマーク。しかし、最後のアタックでアレイシ・エスパルガロが1分58秒183を叩き出し、トップでQ2進出を決めた。2番手はマルティン、3番手はビンダーが入り、4番手はビニャーレス、5番手はザルコだった。

 バニャイアは6番手、転倒を喫したベゼッチは7番手。クアルタラロは11番手、マルク・マルケスはホンダ勢最上位の13番手で、Q2へのダイレクト進出を逃している。中上はプラクティスでも新しい空力デバイスを装着したマシンで走行し、20番手だった。

イギリスGPでホンダが投入した新たな空力デバイス

© 株式会社三栄