高校総体 サッカー男子初V 茨城代表・明秀日立 地元も歓喜 生徒らPV、校歌熱唱

優勝が決まった瞬間、歓声を上げて喜ぶ生徒たち=日立市神峰町

全国高校総体(インターハイ)サッカー男子決勝で茨城県代表の明秀日立(日立市)が桐光学園(神奈川)を下し、初の頂点に立った。同市神峰町の同校では4日、パブリックビューイング(PV)が行われ、生徒ら約100人が応援。快進撃を見せたイレブンを「感動した」「よくやった」などと称賛し、県勢44年ぶりの快挙に地元は歓喜に包まれた。

「流れもってこい」「盛り上がりが足りない」。PV会場で応援を引っ張ったのは、登録を外れ地元に残った1~3年生のサッカー部員約50人。会場の最後列で応援歌を熱唱し、選手を後押しした。

柴田健成選手(2年)が前半19分、この日2点目のゴールを決めると、会場は「よっしゃー」と大歓声。担任の永井咲季教諭(28)は、教え子の活躍に「勉強も練習もコツコツとやるべきことを貫く子」と笑顔を見せた。

後半同点にされた後は主導権を握られたが、選手たちは体を張って猛攻をしのいだ。主将のDF山本凌選手(3年)と同じクラスで同部員の向山孝太さんは「チームを引っ張っていてかっこよかった。よく耐えた」とねぎらった。

試合は延長戦でも決着がつかずPK戦となり、生徒たちは肩を組んで祈るように見守った。桐光学園の7本目をGK重松陽選手(2年)が止めて優勝が決まると、会場は総立ちに。この日一番の歓声が上がり、全員で校歌を歌って初優勝の余韻に浸った。

塙定之校長は「よく耐えてくれた。本当におめでとうと伝えたい」と語り、祝福に駆け付けた小川春樹市長も「新たな歴史をつくった。市民に元気、勇気を与えてくれた」とたたえた。

市内サッカー関係者からも喜びの声が上がった。市サッカー協会会長の伊藤和彦さん(77)は「まさに快挙。子どもたちの夢もふくらむ」。MF吉田裕哉選手(3年)は大久保サッカー少年団時代の教え子。「当時から一人で全部やってしまうような素晴らしい選手だった」と振り返り、「日立のサッカーにいい刺激になる」と語った。

吉田選手とMF益子峻輔選手(同)が中学時代に所属していた市内のクラブチーム「FOURWINDS FC」代表の佐藤隆亮さん(42)も、教え子の活躍に目を細めた。「当時から先を見据えて筋トレなどに取り組んでいた。その姿勢が今回の結果につながっている」と語り、冬の選手権大会での活躍も期待した。

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