酷暑、鎌倉観光に影響じわり 高温で大仏の胎内拝観が制限

内部の拝観を中止している鎌倉大仏殿高徳院=鎌倉市長谷4丁目

 酷暑が、神奈川県内有数の観光地・鎌倉にも影響を及ぼしている。7月の平均気温は統計を開始した1898年以降最も高くなるなど歴史的な高温を記録。新型コロナウイルス感染症の5類移行やインバウンド(訪日客)回復が追い風となり、鎌倉市内はにぎわいをみせているものの、猛暑が古都・鎌倉の観光に変化をもたらしている。

 「昨今の気温上昇に伴い、拝観者さまの安全を鑑みて夏季の胎内拝観を制限させていただきます」。鎌倉大仏で有名な鎌倉大仏殿高徳院(同市長谷)は、8月の1カ月間、高温を理由に大仏内部の拝観を中止している。7月に関しては、胎内の温度計が示す数値が安全を確保できることを条件に、午前8時から正午までは拝観を受け付けていたものの、8月は早々と拝観中止を決めた。コロナ禍で安全が保てないとして、胎内拝観は一時的に中止をしており、ことし3月から再開したばかりだった。

 岩手や山形から訪れたという20代の女性3人は「大仏様が見られたので良かったけれど、胎内に入れるのであれば入りたかった」と話す。

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