スポーツや科学研究で大活躍、本県高校生 谷地・IHカヌー優勝、置賜農・ダリア品種改良で最優秀賞

表彰台で笑みを浮かべる谷地高校の太田隆斗(左)、荒木啓佑の両選手=西川町の月山湖カヌースプリント競技場

 本県の高校生がスポーツや研究の分野で躍進した。西川町の月山湖カヌースプリント競技場で開催されている全国高校総体(インターハイ)のカヌースプリント500メートルで、谷地高の男子カヤックペアが優勝。バイテク情報普及会(東京都)が主催する高校生科学教育大賞では、置賜農業高がダリアの品種改良の研究計画で最優秀賞に選ばれた。

 県勢にとって、優勝がなかなか出ない苦しいインターハイ。陸上男子走り幅跳びで優勝した勢いを追い風として、お家芸の一つカヌースプリントへの期待は大きかった。男子カヤックペアを制した太田隆斗(17)、荒木啓佑(17)の両選手は「1位を狙うという思いで臨んだ。最後の競り合いには負けたかと思った」と振り返る。重圧や期待に押しつぶされることなく、栄冠をつかんだ。

 地元開催で応援団も多く、2人の背中を強く押す追い風となったことも大きかった。同校カヌー部出身で3年時に優勝経験のある山形市印役町の主婦山本友里さん(43)は「選手時代を思い出した。当時、たくさんの応援をもらったので今度は自分の番」と、声を張り上げた。男子カヤックペア以外にも準優勝や入賞を果たし、本県のカヌースプリントの力を見せつけた。

 遺伝子組み換え技術を活用したダリアの品種改良の研究計画が最優秀賞に選ばれた置賜農高(平田忠宏校長)は、町の花ダリアに焦点を当て、地域振興につなげようという取り組みが評価された。同校で4日、授賞式が行われ、バイオテクノロジー作物の開発を手掛ける企業などで構成するバイテク普及会から100万円の活動支援金が贈られた。

 同校園芸福祉科3年生6人が中心となり、遺伝子組み換え技術で病気に強く収量が多いダリアと、青いダリアの優良品種の育成を目指す計画だ。町は国内有数のダリア産地だが、病害による収量の低下が課題だという。研究チームの生徒は生産者の協力を得て、病気の原因となるウイルスを含まない苗を作ることに成功。さらに研究を深める。

 この日は同会の熊谷善敏事務局長が生徒代表に目録などを手渡して激励。3年の朝倉未来さん(17)は「最新技術を使い、病気に強くきれいに咲くダリアを目指したい」と話した。

表彰状を受け取る代表の生徒=川西町・置賜農業高

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