神戸市バス、不適切な超過勤務870時間 第三者委「手当返還求めるべき」 営業所パワハラで調査

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 神戸市バスの営業所でパワーハラスメントなどの不祥事が発覚した問題で、弁護士による第三者委員会は4日、新たに計800時間を超す不適切な超過勤務手当の支給や、神戸交通労働組合(交労)役員が関わる組織の管理不全などが確認されたとする調査報告書を市交通局に提出した。

 市交通局は昨年3月、市議から営業所のハラスメントに関する指摘を受け、弁護士による調査を実施。運転士5人が複数の同僚に「(職場のハラスメントを)チンコロ(内部告発)しとったやん」などと暴言を吐いていたことが判明し、懲戒処分にした。職員らの職務専念義務違反なども発覚した。

 並行して昨年末、弁護士4人でつくる第三者委を設置。直営する石屋川、中央、垂水の3営業所の職員や管理職ら51人に聞き取り調査をし、今回の報告書をまとめた。

 報告書によると、2営業所で2016年以降、交労支部長などを務める運転士3人が毎月、実際には従事していない業務を行ったように報告し、最大で月14時間分の超過勤務手当を受け取っていた。

 上司も実態を確認せず支給を認めていたといい、「組合支部長の影響力が強く、中には営業所長をしのぐ者もいた」と指摘。少なくとも計870時間分の「手当の返還を求めるべき」と求めた。城南雅一交通局長は「提言を受け止め、速やかに再発防止策に取り組む」とした。関係職員の処分も行う方針。(井沢泰斗)

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