グリホサート検出…所沢ビッグモーター前、土壌から除草剤成分「通常使用より多い量」 反対車線側は未検出

ビッグモーター八潮店付近で枯れた街路樹周辺の土壌を採取する県環境科学国際センター職員=7月28日午後2時50分ごろ、埼玉県八潮市中央2丁目

 埼玉県は4日、中古車販売大手「ビッグモーター」の店舗前にある街路樹が不自然に枯れるなどしている問題で、7月28日に所沢店前の土壌調査で採取した検体から除草剤成分のグリホサートが検出されたと発表した。

 調査した箇所は所沢市小手指町5の4の1地先植樹帯(所沢店前)と八潮市中央2の5の6地先植樹帯(八潮店前)で、各調査箇所につき2検体採取した。所沢店前から検出されたグリホサートの濃度は、12ミリグラム毎キログラムと49ミリグラム毎キログラムだった。市販品の除草剤に含まれるグリホサートの1回の散布量は0.2~0.7グラム毎平方メートルで、今回検出された濃度を散布量に推算すると、0.6グラム毎平方メートルと2.1グラム毎平方メートルになるという。

 県環境科学国際センターの酒井辰夫センター長は「通常(除草剤を)まいているよりも少し多い量」と説明。比較対象として所沢店前の反対車線で採取した検体、および八潮店前で採取した検体からグリホサートは検出されなかった。八潮店前については、切り株に残存している除草剤成分の有無についてさらに調査を行う。

 県道路環境課の担当者によると、「職員が7月29日に行った聞き取り調査で、所沢店の現店長は除草剤をまいたという話をしている。八潮店については除草については手で抜いていて、除草剤は使っていない」と回答があった。所沢店の現店長は植樹帯の低木がなくなった後に異動してきたため、県はビッグモーターに社内で状況を把握した上での見解を求めているものの、回答を得られていない。

 県は警察と協議した上で被害届を提出する。原因者を特定し、現状復旧と損害賠償請求も行う方向。県道路環境課の担当者は「警察に委ねるだけでなく、われわれも聞き取りなどを続けていく。成分が検出されたという事実、まいたという話、いろいろな調査を行って関連づけていく」と話した。

© 株式会社埼玉新聞社