岡山県北部で記録的な暑さが続く、熱中症で搬送された人は津山圏域消防組合管内で21人、農作物などへの影響も懸念

記録的な暑さが続く中、岡山県北部でも熱中症で搬送される人が相次いでいる。猛暑は継続する見込みで、岡山地方気象台はこまめな水分補給などを呼びかける。高温と少雨による農作物などへの影響も懸念されている。
「地面からの照り返しや熱気はまさに猛暑。日中に屋外で動き回るのはなるべく控えたい」。18日に城東地区を訪れた津山市内の60代男性が話した。道路からは空気がゆらめいて見える陽炎(かげろう)が立ち上っていた。
同気象台によると、津山市は14日から4日連続で最高気温35度以上を記録し、県内に高温注意情報が発令された18日は34.3度を観測。勢力を強めた太平洋高気圧に大陸からのチベット高気圧が重なっているのが最近の暑さの原因で、21日までは猛暑日になる可能性があるという。
8月以降に熱中症とみられる症状で搬送された人は、津山圏域消防組合管内で21人(17日現在)いた。このうち13人は65歳以上の高齢者で、めまいや手足のしびれ、吐き気などを訴えた。例年は9月以降に減る傾向にあるというが、気象台の1カ月予報を見ると、中旬にかけて最高気温が平年より高い日が続く見込みで、しばらく警戒が必要だ。
コロナ禍で着用を余儀なくされるマスクは、口周りが湿ってのどの渇きを感じにくいため、発症リスクが高まると指摘される。同組合警防課は「暑い場所に滞在するのを避け、こまめな水分補給と涼しい箇所での休憩を心掛けてもらいたい」としている。
高い気温と少雨を受け、美作広域農業普及指導センターは、「農作物などの技術対策」をホームページで呼びかけている。水稲や大豆、果樹、野菜、花き、畜産、飼料作物への効果的な対策を紹介し、生産者の参考にしてもらう。
農作業中の熱中症についても▽気温の高い時間帯を外して作業し、こまめな休憩や水分摂取をする▽作業時間を短くする▽防止の着用や汗を発散しやすい服装をする―といった注意を促している。
乳牛に関しては気温の上昇とともに食べる量が減り、乳量の減少、乳成分の低下などが起こるため、牛舎の防暑や体の熱放散といった対策が必要になる。
乳牛35頭を飼育する岡山県真庭市中河内の三浦牧場は、扇風機による送風などで健康管理を徹底する。三浦正之さん(36)は「ホルスタインは暑さに強くない。ストレスで乳量は減少傾向にある」と言う。温度を下げるため、インバータ制御の扇風機6台を24時間フル回転。食欲が落ちた牛でも食べられるように良質な牧草を与えている。
三浦さんは「異常気象は毎年当たり前になってきている。気の抜けない日が続くが、牛のコンディションを崩さないよう十分な対策に努めたい」と話している。

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1猛暑が続く津山市内=18日午後3時40分

2扇風機をフル回転させる乳牛の牛舎=真庭市中河内の三浦牧場

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