間一髪!そばには受け子も? 詐欺被害も熱中症も防いだ地域の輪 浦和署、カットサロン従業員2人に感謝状

橋本昭文署長(右)から感謝状を授与されたカットサロンSHINADAの加藤美恵さん(中央)と力山聖也さん=7月31日午前、埼玉県警浦和署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警浦和署は7月31日、「カットサロンSHINADA」の従業員、加藤美恵さん(47)と力山聖也さん(23)に感謝状を贈呈した。

 同署や加藤さんらによると、6月21日正午ごろ、通行人の女性が顔見知りの90代の男性に寄り添っているところを力山さんが目撃し「暑いし何かあっては」と加藤さんに相談。男性は長年の客で認知症を抱えており、心配した加藤さんらが声をかけたところ、「息子に頼まれて息子の友達にお金を渡さなければならない」などと話したことから、特殊詐欺を疑った。

 男性によると、同店の近くで午前11時に受け子に現金を渡すことになっていたという。加藤さんらは説得の上、男性に水を飲ませ、自宅まで抱えながら送り届けたが、その際に受け子らしき不審者も近くにいたという。偶然通りかかった自治会長の男性も気にかけ、翌日交番に情報提供し、警察が事態を把握した。

 加藤さんは「私たちだけではなくいろいろな人が関わり合って防ぐことができた」、力山さんも「今後も困っている人を助けたい」と力を込めた。橋本昭文署長は「優しい気持ちで寄り添い、手を差し伸べてくれたので、命も財産も守ることができた」と功労をたたえた。

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