プロ2年目の24歳 ピンのプロトタイプアイアンを実戦投入

エックロートが実戦投入した新アイアン「ピン ブループリントS」

◇米国男子◇ウィンダム選手権 事前◇セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)◇7131yd(パー70)

一年のこの時期は、PGAツアーの選手たちにとって一種独特なものだが、それは用具メーカーにとっても同様である。PGAツアーのトッププレーヤーたちの中には、フェデックスカップ プレーオフへ向け準備を進める者もいれば、2023「ウィンダム選手権」にて、プレーオフ進出をかけて最後のチャンスをモノにしようとする者もいる。この時期は、必ずしも実戦で試されていない新しい用具に切り替えるには最適とはいえない。

しかし、その反面、夏場のシーズンが終わりへと近づきつつあるなか、用具メーカーはこの秋冬に控えた新製品のリリースへ向け、今まさにその準備を行なっているのである。そして、ツアープレーヤーによる新製品の検証は、通常、その中で大きな比重を占めている。

タイミング的に難があるとは言え、新しいゴルフクラブがより優れているのであれば、シーズン終盤のこの時期であっても、PGAツアーの中にはクラブの切り替えを進んで受け入れる選手もいる。

今年の「ジェネシス スコットランドオープン」では、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)とティレル・ハットン(イングランド)が初めてベールを脱いだ「ピン ブループリントS プロトタイプアイアン」を使用したことが話題となった。ピンは2019年にブレード型の「ブループリント アイアン」をリリースしており、現在、これはトニー・フィナウを含む複数のPGAツアープレーヤーが使用しているが、新しいブループリントS アイアンは、大型でキャビティバック構造を持ったクラブのようだと推測されていた。

詳細を写した画像や製造元による情報がないなか、このミステリアスな新アイアンに関しては、これまで解答よりも疑問の方が数で勝っている状況となっていた。

しかし、今週の「ウィンダム選手権」にて、GolfWRX.comはプロ2年目の24歳、オースティン・エックロートのバッグに収められたブループリントS プロトタイプアイアンの写真を撮影することに成功した。24歳のピン契約選手であるエクロートに、新しいアイアンの新品が提供されたのである。

ピンの新アイアン「ブループリントS」のバックフェース(GolfWRX)

エクロートはGolfWRX.comに対し、「この前はS55を使っていて、更にその前はブループリントのブレードを使っていた。これ(ブループリントS)はそのいいとこ取りで、見た目はブループリントでありながら、打感や弾道、そしてスピンに関する数字は完全に僕のS55と同じ、と言うか、少なくともかなり近いんだ。少し飛距離は出るかもしれないけれど、ばらつきはないね。かなり一貫性があるんだ」と述べた。

「全体的に言って、見た目はS55よりこっちの方が好きだけど、数値やスピン量はかなり一定している。S55より若干小さいね。今後のプランは未定だけど、ブループリントのブレードと混合セットというのも十分考えられるね。S55は鋳造だったけれど、こっちは鍛造ヘッドなので、S55よりフェースの弾きは少し柔らかめなんだけど、実のところ、僕はそっちの方が好みなんだ。これは僕がこれまで見てきたなかで、最も見た目の良いアイアンだね」とエクロート。

精悍な顔つき(GolfWRX)

ピンはこの新しいアイアンについてまだ何も言及していないが、プロトタイプのデザインはPGAツアープレーヤーたちから注目を集めつつ、認可も取り付けたようだ。

エクロートに関して言うと、彼は目下ランキングで70位につけており、2023年のフェデックスカップ プレーオフ出場へ向け、正に当落線上に位置している。彼は新アイアンの向上した寛容性を十二分に活用すべく、今週初めて実戦投入する。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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