【台風6号】沖縄・奄美にかなり接近中 あすは九州南部も線状降水帯発生のおそれ 来週半ばに九州上陸か

 台風6号はあす6日(日)にかけて沖縄や奄美にかなり接近し、その後は来週半ばに九州へ接近、上陸するおそれがある。沖縄や奄美ではあす6日(日)にかけて暴風と高波に厳重な警戒が必要。高潮にも警戒したい。また、線状降水帯が発生するおそれがあり、台風から離れた九州南部でもあす6日(日)は線状降水帯が発生する可能性がある。大雨による土砂災害などにも厳重な警戒が必要だ。

沖縄本島や奄美一部はすでに暴風域に

 きょう5日(土)午前10時現在、台風6号が沖縄や奄美にかなり接近し、沖縄本島と奄美の一部が平均風速25メートル以上の暴風域に入っている。海上では猛烈なしけとなり、台風本体の活発な雨雲がかかって、沖縄県久米島では午前11時までの24時間に253.0ミリの大雨となっている。

トラック横転する暴風や線状降水帯予測も

 台風6号はこのあとも勢力を維持したままゆっくりと東へ進む見通し。あす6日(日)にかけて沖縄や奄美にかなり接近し、通過しそうだ。沖縄や奄美では最大瞬間風速45メートルと、道路標識が傾いたり、走行中のトラックが横転するような危険な暴風が吹く見通し。不要不急の外出は避け、屋内では窓ガラスが割れたときにケガをしないよう、窓から離れた所で過ごすなど暴風に厳重な警戒が必要。うねりを伴った高波にも厳重に警戒したい。

 また、沖縄ではきょう5日(土)午後からあす6日(日)午前にかけて、奄美ではきょう5日(土)からあす6日(日)日中にかけて、線状降水帯が発生するおそれがある。さらに雨量が増え、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性がある。大雨による土砂災害や川の増水・氾濫などにも厳重に警戒したい。
 さらに、台風の接近が大潮と重なるため、沖縄や奄美では満潮時刻を中心に潮位が高くなる見通し。高潮や、高潮と重なり合った浸水害にも警戒が必要だ。身の安全を第一に考えて過ごしたい。

北海道も前線の影響で大雨に要警戒

 台風からは遠く離れた北海道でも大雨に警戒が必要だ。北海道には前線が停滞し、前線に向かっては雨雲のもととなる暖かく湿った空気が流れ込んでいる。そのため、大気の不安定な状態が続き、局地的には激しい雷雨となりそう。
 北海道で予想される雨の量は、あす6日(日)朝にかけて日本海側の多い所で100ミリの見通し。その後も日本海側を中心に、さらに雨の量が増えそうだ。普段、大雨となることの少ない北海道では、降り始め3日(木)からの総雨量が8月の平年の降水量を超えるおそれがある。大雨による低い土地の浸水や土砂災害に警戒が必要だ。

台風から離れた所も大雨のおそれ

 きょう5日(土)の本州付近は夏の高気圧に覆われて晴れ、東京都心は午前中から35℃を超えて今年に入って16日目の猛暑日となった。これで、年間の過去最多・猛暑日日数タイ記録となり、このあと36℃くらいまで気温が上がる見通し。豊岡(兵庫)では39℃と、40℃に迫る所もありそうだ。記録的で危険な暑さが続くため、熱中症対策を万全にして過ごしたい。

 ただ、西日本の太平洋側や東海では、台風周辺の湿った空気の影響で雨が降りやすい見通し。特に九州南部では、あす6日(土)正午までの多い所で250ミリの大雨となるおそれがある。また、あす6日(日)午前から夜にかけては線状降水帯が発生し、さらに雨の量が増える可能性がある。週明け8日(火)から9日(水)にかけては台風6号が九州に接近、上陸するおそれも出てきている。
 四国、近畿や東海でも台風周辺の湿った空気の影響で大雨となる可能性がある。側溝の掃除、非常用品やハザードマップの確認など、台風や大雨への備えを早めにしておいた方がよさそうだ。

(気象予報士・鈴木悠)

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