首位から一転…「非常に不運なクラッシュ」とロバンペラ/2023年WRCフィンランド デイ2後コメント

 8月4日(金)、競技2日目を迎えたWRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』はアクシデントが続出。優勝候補がひとり、またひとりと脱落していくなかTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立った。ラリーの中心地であるユバスキュラ在住の日本人ラリードライバー、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)も表彰台圏内の総合3番手に順位を上げている。そんなデイ2を終えた各チームからドライバーの走行後コメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/リタイア

「SS3でのダメージの影響で、残念ながらラリー・フィンランドからリタイアせざるを得なくなった。もちろんがっかりしている。エストニアの後で、今週はこんな展開を望んでいなかった。続けられないのが残念だが、続けるにはマシンのダメージが大きすぎるんだ」

「これからは忙しかった数カ月を経てひと休みする時だ。そして9月のギリシャに完全に集中するよ」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイリタイア

「今週末に向けた僕たちの野望を考えると、このラリーに求めていたスタートではなかったのは確かだ。僕たちは明日戻ってくるよ」

※いずれもX(旧Twitter)より
@PL_Loubet
@OttTanak

ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
メカニカルトラブルにより、リタイアとなったオット・タナクのフォード・プーマ・ラリー1 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合2番手

「今の僕たちには選択の余地がない。主なライバルのひとりであるカッレ(・ロバンペラ)がリタイアとなったが、エルフィン(・エバンス)もチャンピオンシップで僕たちの前にいる。僕たちは優勝を懸けて戦っているし、そのために進んでいく」

「今日はよかった。フィンランドで優勝争いができるポジションにいたことは、過去になかったと思う。とても難しいところだ。グリップの変化が多かったが、すべてコントロールできた」

「もっとスピードを出せるようマシンに少し手を加えたけど、トヨタ勢の方が速いことがわかった。自分たちのリズムを保って、ミスをしないようにしなければならなかった。明日はさらに激しくプッシュしていくよ」

●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア

「身体的には何も問題はない。足首が腫れているけれど骨は折れてなかった。アクシデントはペースノートのミスのせいだ。右コーナーについて楽観的すぎた。僕たちは速すぎて木のなかに突っ込んでしまったんだ。レッキを行った時の僕たちの側の情報が間違っていた」

「正直なところ首位に近づきいと思っていたので、今日の展開にはまったく満足できない。イベントの残りの期間ラリーにふたたび出ることができないのは残念だが、一番大事なことはヤンネ(・フェルム/コドライバー)と僕が無事だということだ」

「チームとフィンランドのファンに対しては本当に申し訳なく思っている。このラリーは一番楽しみにしていたし、好結果を望んでいたんだ。今はギリシャを楽しみにしている。今シーズン序盤の良いフィーリングに戻れることを願っているよ」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合4番手

「今日についてはかなり満足している。雨が降り、グリップの変化もあってとてもトリッキーなコンディションだったけれど、順調に走行して先頭集団の近くにいることができた」

「ペースが少し落ちていたけれど、限界までプッシュできればさらにペースは出ると思う。今日の午後は最初の2ステージではほぼ全開で走り、何度か良いタイムを出せた。少しずつ自分のドライビングを改善している。表彰台獲得の夢は今も残っているから、明日を良い一日にする必要がある」

テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
ティエリー・ヌービル(右)/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/リタイア

「今日は途中まで順調だった。午前中は出走順が一番手ながら好調だったし、エルフィン(・エバンス)ともいいバトルができていた。あまり攻め過ぎなくても、少しだけ速く走ることができていたんだ」

「午後のクラッシュは非常に不運なもので、あのコーナーであれ以上のことはできなかったと思う。ブレーキング時の速度は適切だったと思うけど、泥の中に出走順一番手で突入したため、クルマが大きくスライドしてしまった。ステアリングをフルロックさせてもクルマを立て直すことができず、側溝の中で何かに激しくぶつかって飛ばされてしまった」

「このようなかたちで戦列を離れてしまったことは、チームにとってもファンの皆にとっても残念なことだ」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位

「大きなミスもなく、午前中はクリーンなスタートを切ることができた。序盤はペースがかなり速く、もう少しうまく走れそうなところもいくつかあったし、各ステージでトップとコンマ数秒差だったのでフラストレーションを感じた」

「日中は路面がウエットだったりドライだったりと変わりやすく、グリップもそれほど高くなかったのだが、走りを楽しむことができたよ。コンディションの変化により何人かのドライバーが戦列を去ることになったが、残念ながらカッレ(・ロバンペラ)もそのひとりとなってしまった」

「彼は素晴らしい仕事をしていただけに、あのような結果になってしまい残念だ。まだまだ先は長く、明日はもう少し路面がドライになるかもしれないけど、それでもまだスリッピーなコンディションが続くと思っている」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合3番手

「朝はラウカーのステージでベストタイムを記録し、とてもいいスタートを切ることができました。好きなステージではありましたが、序盤のセクションは新しくなっていたのでタイムがどうなるか分かりませんでした。それでもクルマのフィーリングはとても良かったですし、いい走りができました」

「その後のステージでは少し慎重になり過ぎて、タイムをかなりロスしてしまいました。今日の午後のコンディションは非常にトリッキーで、なおかつコンディションの変化も激しかったです。それでも、まだトップに近い位置につけているので全体的には満足しています」

「明日もこの調子で戦えることを願っていますし、もう少しプッシュしたいと思っていますが、きっと大変で、大きなチャレンジの一日になるでしょう」

●ヤリ-マティ・ラトバラ(#97 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合5番手

「最高の一日だったよ。金曜日の段階では総合5番手につけることができるなんて、想像すらできなかった。それほど速くはなかっただが、すべてを自分のコントロール下に置き、いいリズムで走ろうと努力した。最速の選手たちとは1kmあたりコンマ6秒差で、自分が予想していたよりも良かったんだ」

「とにかく、このクルマをドライブするのは最高の気分だ。今日は素晴らしいステージもあれば、難しいコンディションのステージもあったが、これほどコンディションが変わりやすいラリー・フィンランドは久しぶりだ。明日もまた、素晴らしい経験ができることを願っている」

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

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