「工夫すれば同じスポーツ楽しめる」 車いすバスケ元日本代表の阪根さんが小学校で授業

車いすバスケを楽しむ児童たち(京都府向日市・第5向陽小)

 2004年のアテネパラリンピック車いすバスケットボールの日本代表選手だった阪根泰子さん(52)=京都市右京区=が、京都府向日市の第5向陽小を訪れ、児童たちに競技の魅力や半生を語った。

 府の「京のスポーツ夢バンク」事業の一環。6年生74人が参加した。競技用車いすに乗り、4、5人ずつのチームごとに、クラス対抗で対戦した。

 阪根さんは18歳の時に脊髄炎を患い、車いす生活になった。車いすバスケというスポーツに出合い、パラリンピック出場という夢をかなえ、人生が大きく変わったという。出産で選手を引退し、現在は全国の学校で講演活動をしている。

 対戦では、車いすバスケのクラブチーム「京都アップス」の東武志さん(47)=京都市伏見区=がチームに入り、素早い動きで児童をアシスト。児童は初めて乗る競技用車いすを操り、何度もシュートに挑戦していた。

 阪根さんは「車いすの人も車いすじゃない人も、工夫すれば、同じスポーツを楽しめる。新しいことに挑戦する時、工夫したらできるかもと思ってほしい」と語った。また「車いす用の駐車スペースなど、街の工夫を発見し、自分にできることは何か考えて」と呼びかけた。

 参加した児童(12)は「初めての体験で楽しかった。ジャンプやシュートが難しかった」と話し、別の児童(11)は「難しい分、みんなでボールを回して得点できた時がうれしかった。現役の選手の動きがすごかった」と振り返った。

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