両親は有名レスラー田中きずな、母のコーチだったジャガー横田と初タッグ「闘志を見させてもらった」

元WWEで5月に日本に復帰した女子プロレスラー、Sareeeの第2回自主興行「Sareee-ISM Chapter2」が4日、東京・新宿FACEで行われた。プロレスラー田中稔を父に、元プロレスラー府川唯未を母に持つ田中きずな(18)はジャガー横田と組み、伊藤薫&狐伯組と対戦。20分4秒、狐伯のJKボムで3カウントを奪われ、試合に敗れた。

今年4月にデビューした田中。田中稔から教わった脇固め、府川を彷彿させる闘志を披露。伊藤の急角度逆エビ固めに巨体プレス、狐伯の打撃技で押し込まれるも、会場の声援とジャガーのゲキを受け反撃。伊藤にはドロップキック8連発、狐伯にもエルボーを打ち返し、見せ場をつくった。

力の差を見せつけられた黒星に、田中は「ジャガーさんと組ませてもらって、全力で勝てるようにしたかったけれど何もできず悔しい」と声を振り絞った。ジャガーからは「助けるのは簡単だけど、あえて助けず見させてもらった。受けの美学、基本的なところを見せてもらった。いいレスラーになると思います」とねぎらわれた。

ジャガーは府川の新人時代にコーチを務めた。娘の田中を「府川のように静かなんだけど内に秘めた闘志を見させてもらった」と語り、母については「府川は普段おとなしいけれど、内に秘めている闘志は知っている。団体は別になったが、後にチャンピオンになり、開花してうれしかったですね」と振り返った。

田中は「狐伯選手、伊藤選手は練習生の時から教えてもらった先輩なので、成長した姿を見せたかった。まだできることも少ないですが、諦めない気持ちを出しました。何もできずボロボロですけど、もっと強くなりたい」と語った。ジャガーとのタッグは「母も喜んでくれました」と言い、脇固めは関節技を駆使する父の試合映像を父から紹介され、習得につながったという。

実家暮らしを続けながら、所属するWAVEで汗を流す日々。「両親からは応援よりも『練習が足らないんじゃない』とプレッシャーをかけられる感じです。最初はつぶされそうでしたが、今は負けないように頑張っています。デビューしたばかりの頃はもうダメかもと一瞬考えてしまう時があったけれど、気持ちは折れないようになりました。少し変われたと思います」と語った。

Sareeeから大会出場を抜てきされた田中。「学生の頃は何回もSareeeさんの試合を見に行きました。呼んでもらってうれしかった」と感謝した。そして「また呼んでもらえる選手になれるよう、もっともっと頑張ります」と前を向いていた。

「Sareee-ISM Chapter2」(4日、東京・新宿FACE)ジャガー横田&田中きずなVS伊藤薫&狐伯より ©Sareee-ISM

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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