甘いだけじゃないミカンの魅力 「柑橘ソムリエ」講座、10月に和歌山・田辺で

「柑橘ソムリエ」講座受講を呼びかける「みかんソサエティー和歌山」の山本玲子さん(左)と小山葵さん=和歌山県田辺市上秋津で

 かんきつに関する深い知識を持った「柑橘(かんきつ)ソムリエ」の養成講座が10月13~15日、和歌山県田辺市上秋津の秋津野ガルテンである。かんきつの魅力を伝えられる人材を増やし、消費拡大につなげるのが狙い。主催のかんきつ愛好家団体「みかんソサエティー和歌山」(田辺市)は「ミカンについて語り合おう」と参加を呼びかけている。

 NPO「柑橘ソムリエ愛媛」(愛媛県宇和島市)との共催。ソムリエ制度は同NPOが2020年度に始めた民間資格で、知識や表現力を問う試験に合格すると認定する。資格者数は23年7月現在101人、合格率は60%程度。

 かんきつは同じ糖度でもすぐに広がる甘さもあれば、後からじわりと広がる甘さもある。雑味のなさや果汁の多さなど、おいしさは多彩。講座では食べずに分かる目利き力、味を適切に捉える味覚、魅力を伝える表現力を鍛える。最終日に学科、実技の試験がある。

 講師は宇和島市のかんきつ農家でNPO理事長の二宮新治さんと、NPO事務局で「柑橘の教科書」を執筆した広井亜香里さんが務める。

 みかんソサエティー和歌山代表の山本玲子さん(41)は今年4月にソムリエ資格を取得した。「実家がミカン農家で、かんきつは大好き。ネットでソムリエの存在を知り、愛媛まで車を飛ばして受講した。堅苦しい講座ではない。生産者だけでなく、全国のミカン好きが集まっていて、気軽に楽しめた」と話す。

 ソムリエの6割は生産や販売などでかんきつの仕事に携わっている。ソムリエの知名度は高まっており、「ソムリエの農園」や「ソムリエのいる販売店」などをアピールしている。

 一方で、4割は仕事に関係のない愛好家。ソムリエだけが参加できるチャットサービスがあり、かんきつのマニアックな情報交換を行っているという。

 山本さんは「愛媛では『ミカンはエンターテインメント』とおいしさや楽しみ方を伝える活動に取り組んでいる。和歌山でもイベントや情報発信を通じ、『甘いだけじゃないかんきつの魅力』を伝えていきたい」と話している。

 講座はかんきつ好きなら誰でも受講できる。受講料はテキスト代込みで2万5千円(税込み)。定員20人。オンラインで申し込む。締め切りは9月1日。

 問い合わせは、みかんソサエティー和歌山(メール mikan.society@gmail.com 電話080.2506.4164)へ。

■11日に事前説明会

 柑橘ソムリエ講座の事前説明会が11日にオンラインである。講座内容や試験の難易度を紹介するとともに、質問にも答える。

 柑橘ソムリエも参加し、講座・試験の体験談、資格取得後の活動や日々のかんきつとの関わりなどを話す予定。

 説明会は午後7時半~8時半、オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使用する。無料。

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