ロシアのタンカー、攻撃で損傷 ウクライナの特別作戦と報道

ロシア軍の侵攻状況

 ロシア連邦海洋河川運輸庁は5日、実効支配するクリミア半島と本土の間に位置するケルチ海峡の南方を航行していたロシアのタンカー「シグ」が無人船によるとみられる攻撃を受け、船体に損傷を受けたと発表した。機関室付近に穴が開いたが航行は可能で、11人の乗組員は無事。ウクライナメディアは、ウクライナ保安局(SBU)と海軍による特別作戦だったと報じた。

 ケルチ海峡には、7月17日にウクライナによる2度目の攻撃を受けたクリミア橋が架かっている。ロシアの侵攻に対する反転攻勢を続けるウクライナ軍はロシア領内やクリミア周辺へのドローン攻撃を強化しており、タンカー攻撃も反攻の一環とみられる。

 SBUのマリュク長官は5日の声明で、最近のロシア船舶に対する攻撃は合法的だと強調した。ロシア軍に早期にウクライナ領から撤退するよう警告した。

 ロシア連邦海洋河川運輸庁によると、タンカーは4日深夜に右舷に攻撃を受けた。ロシア通信によると既に浸水は止まり、沈没の危険性はないという。

黒海でロシアのタンカーに接近する水上ドローンからの映像。5日に公開された動画からの画像(AP=共同)

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