【追記あり】初音ミクAMGが予選日を完全制圧。谷口信輝が6年ぶりのポール獲得【第4戦GT300予選レポート】

 8月5日、静岡県の富士スピードウェイで2023スーパーGT第4戦『FUJI GT 450km RACE』の公式予選が行われ、GT300クラスはグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也) がポールポジションを獲得した。

 前戦から2カ月のインターバルを挟んでシーズン4戦目を迎えた2023年のスーパーGT。迎えた第4戦は金曜搬入日から晴天に恵まれ、土曜予選日も午前の公式練習開始時点ですでに気温30度を記録するなど、まさに“夏の富士”のなかで15時20分の公式予選スタートを迎えた。

■Q1A組:GAINER TANAX GT-R富田がA組唯一の36秒台をマーク

 GT300クラスの公式予選は今回もA・B組の“組分け方式”で行われ、まず行われた10分間のA組には14台が出走する。セッション開始時のコンディションは気温33度、路面温度45度、湿度67%と公式練習よりも暑いコンディションでコースオープンを迎えた。

 14台のマシンはピット出口の信号がグリーンになると、すぐにコースインするチームと、ピットでウエイティングを行うチームとで戦略が分かれる。今戦からランボルギーニ・ウラカンGT3“エボ2”を導入する88号車は、開始から2分が経過してから元嶋佑弥がコースインした。

 セッション序盤は各マシンともウォームアップ走行を行い、入念にタイヤを温める。そのなかで片山義章がドライブするDOBOT Audi R8 LMSがますは1分37秒780のターゲットタイムをマーク。続いて富田竜一郎のGAINER TANAX GT-Rが1分36秒903を記録してトップに浮上すると、平中克幸のシェイドレーシング GR86 GTが1分37秒682で2番手に続く。

 さらにポイントリーダーでサクセスウエイト90kgを搭載するリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが1分37秒889で5番手に。そしてJLOC ランボルギーニ GT3は1分37秒861でオリベイラを上回る。

 Q1A組セッション終了を告げるチェッカーフラッグが振られるなか各マシンはラストアタックを続け、古谷悠河のANEST IWATA Racing RC F GT3が1分37秒596で3番手に飛び込んでくるも、GAINER TANAX GT-Rのタイムを上回るマシンは現れず富田がA組トップでセッション終了を迎えた。

 Q2進出を賭けたカットライン上の争いは熾烈を極めたが、最終的に1分37秒926を記録した9番手のHACHI-ICHI GR Supra GT以下、apr GR86 GT、埼玉トヨペットGB GR Supra GT、PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG、Yogibo NSX GT3、アールキューズ AMG GT3がQ1敗退となった。

2023スーパーGT第4戦富士 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)

■Q1B組:公式練習首位の初音ミク AMG片岡がB組トップ通過

 続く15時38分からは同じく10分間のB組予選がセッション開始となり、13台のマシンがコースオープンと同時にピットを後にする。こちらのグループもセッション序盤は1分40秒台の周回でウォームアップを続ける。

 B組で最初にアタックに入ったのは片岡龍也がステアリングを握るグッドスマイル 初音ミク AMGとなり、まずは1分37秒653というタイムを記録してくる。片岡はそのまま連続アタックを続け、セクター3全体ベストで1分36秒896にタイムを縮めてくる。

 2番手には高木真一のK-tunes RC F GT3が1分37秒300で続き、3番手には第3ドライバーの根本悠生がアタックを担当するapr LC500h GTが入る展開に。さらに井口卓人のSUBARU BRZ R&D SPORTが1分37秒185で2番手に飛び込み、パートナーである山内英輝にQ2を託すことに成功した。

 その後も各マシンがアタックを続け、Studie BMW M4の荒聖治が1分38秒035でカットラインの8番手タイムを記録したところでチェッカーを迎える。しかし、その後方からは野中誠太のHOPPY Schatz GR Supra GTがセクター3でゼロカウンターに近い果敢なアタックをみせ、1分38秒024というタイムで荒を上回りQ2進出を決めた。

 これで9番手となったStudie BMW M4以下、マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号、UPGARAGE NSX GT3、muta Racing GR86 GT、植毛ケーズフロンティア GT-RがQ1B組敗退になっている。

■Q2:B組トップ通過の初音ミク AMGが谷口の連続アタックでポール獲得

 GT500クラスのQ1を挟み、Q1を勝ち抜いた16台が争うGT300クラスのQ2は、定刻どおりとなる16時13分に10分間のセッション開始を迎えた。シグナルがグリーンになるとほぼ全車が一斉にコースインしていき、決勝のスターティンググリッドを決めるアタックに向けてウォームアップ走行を行っていく。

 そして残り4分を切ると各マシンがアタックに入り、まずはK-tunes RC F GT3の新田守男が1分37秒790のターゲットタイムを記録してくると、ここから熾烈なアタック合戦が展開されることになる。続いてDOBOT Audi R8 LMSのロベルト・メリが1分36秒982でトップに立つと、清水英志郎のシェイドレーシング GR86 GTが1分37秒390で2番手に飛び込む。

 その後方からは、Q1B組トップの片岡からステアリングを引き継いだ谷口信輝のグッドスマイル 初音ミク AMGが好走をみせて1分36秒617を記録して首位に躍り出ると、翌周の連続アタックでタイムを1分36秒395に縮め、クラストップの座を安泰にする。

 その後もapr LC500h GTの小高一斗が3番手、GAINER TANAX GT-Rの石川京侍が2番手、さらにPONOS GAINER GT-Rの大草りきが4番手に飛び込んでくるも、いずれの車両も谷口のタイムには及ばない。注目のウラカン“エボ2”を投入したJLOC ランボルギーニ GT3は小暮卓史がアタックを行い、1分36秒862で3番手となる。

 Q2終了を告げるチェッカーが振られるなか、apr GR86 GTの小高が1分36秒775にタイムを縮め2番手に。そして最後の大トリには最多タイのポールポジション獲得記録をもつSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が1分36秒705を記録するも、0.310秒届かず2番手までで全車のアタックが完了となった。

 この結果、グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝が2017年開幕戦岡山以来となる6年ぶり、通算7回目のポールポジションを獲得。SUBARU BRZ R&D SPORTがフロントロウ2番手につき、第2戦富士でも好走を披露したapr LC500h GTが3番手、GAINER TANAX GT-Rが4番手のセカンドロウに続いている。

 以下、JLOC ランボルギーニ GT3、DOBOT Audi R8 LMS、シェイドレーシング GR86 GT、PONOS GAINER GT-R、ANEST IWATA Racing RC F GT3、Bamboo Airways ランボルギーニ GT3までがトップ10。以降は、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、HOPPY Schatz GR Supra GT、K-tunes RC F GT3、LEON PYRAMID AMG、Syntium LMcorsa GR Supra GT、RUNUP RIVAUX GT-Rといったオーダーとなっている。

 2023スーパーGT第4戦富士の決勝は、6日13時に450km、100周のレースがスタートする予定だ。

【追記】

 予選3番手となったapr LC500h GTは、19時55分発表の正式結果にて「大会特別規則 第2条 21.1. 指定燃料以外の使用」により予選タイム削除となり、GAINER TANAX GT-Rが3番手となった。以下、JLOC ランボルギーニ GT3、DOBOT Audi R8 LMS、シェイドレーシング GR86 GT、PONOS GAINER GT-R、ANEST IWATA Racing RC F GT3、Bamboo Airways ランボルギーニ GT3、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、HOPPY Schatz GR Supra GT、K-tunes RC F GT3、LEON PYRAMID AMG、Syntium LMcorsa GR Supra GT、RUNUP RIVAUX GT-Rまでが15番手になっている。

2023スーパーGT第4戦富士 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)

© 株式会社三栄