スズキMotoGPカラーを1周のために用意。津田拓也「ファンにメッセージを贈りたかった」/鈴鹿8耐トップ10トライアル

 8月5日、三重県の鈴鹿サーキットで『2023 FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会』の上位10グリッドを決めるトップ10トライアルが行われた。

 そのなかで、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)は昨年までMotoGPに参戦していたチーム・スズキ・エクスターのカラーリングを施したマシンを走らせ、会場を沸かせた。

2023鈴鹿8耐:MotoGPのチーム・スズキ・エクスターのカラーリングでトップ10トライアルを走った津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)

「まず、トップ10トライアルでスズキファンの方にメッセージ残せないかとチームが提案してくれました。スズキは昨年ワークス活動を撤退してしまって、今年はレース活動を一切していないので、ファンに何かメッセージを贈れるようなことをしようというのがコンセプトでした」と津田は、経緯を説明した。

「最初はヘルメットにメッセージを入れて走ろうと言いましたが、ツナギも……、カウルも……、とチームがやってくれて、自分も準備するものを進めて、カウルはラッピングしてもらいました。本当に1周のためだけに作ってもらい、スズキファンやレースファンにメッセージを贈ることができたので、結果的にはよかったですね」

2023鈴鹿8耐:MotoGPのチーム・スズキ・エクスターのカラーリングでトップ10トライアルを走った津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)

 この企画を進めるために、スズキにも了承を得たという。津田は続けて、「あのカラーリングが昨年で姿を消してしまったわけですから、それをどんな形でもファンが触れられる機会がないかと考え、一番がトップ10トライアルだったので、みんなで決めました」と語った。

2023鈴鹿8耐:トップ10トライアルを走り終え、観客に手を振る津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)

 1台に大注目されるトップ10トライアル。その甲斐もあって、2022年のMotoGP日本GP以来のチーム・スズキ・エクスターを駆る元MotoGPテストライダーの津田のビッグサプライズでファンも大いに喜んだ。

「スズキのスタンド席だけではなくて、他の応援席からも『良かったよ』という声が聞こえてきたので、自分も『ありがとう』って手を振ったらみんな沸いてくれました。今のMotoGPは日本メーカーが苦戦していて、海外では少し劣勢な状況ですが、それを盛り上げられればなと思っていました」

「今週はハフィス・シャーリン選手が欠場したり、急に作戦変更を余儀なくされたりしました。自分はロングランのベースを作る役に徹して、新品タイヤを履く機会がなく、アタックの想定ができてなかったのですごく不安でした」

「平凡なタイムだったら恥ずかしいので、逆にプレッシャーも感じながらでした。トップではなかったですが、タイムもちゃんと出せて目立つこともできて良かったと思いますね」

津田拓也、齋藤James文護オーナー、中井貴之監督(AutoRace Ube Racing Team)/2023鈴鹿8耐 トップ10トライアル

 最後に「決勝は天気不順ですし、ふたりで走るので、行くところは行く、抑えるところは抑えると、きっちり切り分けてレースをしていきたいと思います」と意気込んだ。

スズキMotoGPカラーで会場を沸かせた津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)/2023鈴鹿8耐 トップ10トライアル

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