キャロウェイ CB ウェッジを堀江智史が試打「ダフりにくい&刺さりにくい」

安心感と自信をもたらすウェッジ ギアに詳しいレッスンコーチの評価は!?

とにかくやさしく楽にグリーン周りを攻略できるキャビティ構造として人気を博したキャロウェイ「MACK DADDY(マックダディ)CB ウェッジ」。その後継モデル「CB ウェッジ」は、最新テクノロジーを駆使し、さらに“やさしいウェッジ”を具現化したモデルとして注目されている。そんな同社の自信作を有識者3人が採点。ゴルフテックで1、2を争うギア知識を持つコーチ・堀江智史の評価は!?

「とにかく引っかからない抜けの良さ。気になるのは全面溝のみ」

―率直な印象は?
「アイアンと違ってウェッジは、大きく打点が外れるケースが少ないので、求められる寛容性はダフリ・トップに対するものがメインだと思います。その点、前作『MACK DADYY』と比べ、ソール形状が山なり(V字)になった今作は、リーディングエッジ(フェース下部の刃)が芝に引っかかりにくく、抜けがいい。あえてロフトを立たせ、突っかかるように打ってみてもソールが抜けてくれるほど、やさしい性能に仕上がっていることを実感できました」

打点の集まる中心部のバックフェースが大きく凹んだキャビティ構造

―ダフりにくさが向上したイメージ?
「はい。前作では突っかかり気味にリーディングエッジからヘッドを入れたところ、ドスッと芝に入っていました。ですから、かなり抜けに関する性能面が上がった印象です。また、打感の影響と思いますが、振り心地は前作よりヘッドの重みが感じられ、スイングの再現性を上げてくれる印象でした」

ソール幅だけではなくブレードも結構厚め(※画像はロフト角56度、バウンス14度)

―フェースを開いて使うのは厳しい?
「うーん…、マッスルバック形状のツアーモデルと比べ、バウンスの存在感があるので、正直にいうとバンカーでは邪魔になってしまうでしょう。ただ、抜けの良さはスクエアに構えても十分備わっているので、無理に開く必要はないかと思います。ターゲットに真っすぐ構え、そのまま振り抜くだけでOK。ボールが上がりやすく、しかもダフりにくいので、バンカー内でも威力を発揮してくれるモデルだと思います」

左が「CB」右が「MACK DADDY CB」。どちらもロフト50度

―気になるデメリットは?
「ロフト54~60度のモデルに入っているフルフェーススコアライン(全面溝)が、構えたときにちょっと気になります。全面的に横ラインが入っていて、バーチカルライン(スコアラインに垂直に入った縦線)がなく、スクエアに構えられたとしても本当にこれで真っすぐ向いているの?と感じてしまいました…。私がこういう形状を初めて使用したということで、たぶん慣れていないだけだと思いますが、ちょっと違和感が残りました」

トウ側のヒットでもスピン性能を発揮してくれるイメージが湧く全面溝

―生徒さんが同じように全面溝を気にしていた場合、どのようにレクチャーしますか?
「スコアラインの下のラインだけを見て、構えてくださいと伝えると思います。一番下、もしくは二番目くらいのラインに集中して、セットしてくださいとアドバイスするでしょう。その下のリーディングエッジを見る人も多いと思いますが、今作はやや丸みを帯びているため、逆にスクエアに合わせにくいと思われます」

「どんなにダフろうとしてもソールが滑ってミスにならない」と堀江

―どのような人向き?
「ソール幅が広く、スクエアで構えてもバウンスが効く設定となっているため、フェースを開くことはお勧めできません。アプローチが苦手で、特にバンカー越えなどの上げる状況が苦手で、フェースを開いて使うイメージが持てない人向き。腕前でいうとスコア90、100切りを目指して、ボールをスムーズに高く上げたいと望んでいる方に、試してほしいクラブです。逆に、スコア80台以上で、競技志向が強いゴルファーほど苦手に感じるかもしれません」

納得の抜け感5点満点◎【総合評価4.3点】

【スピン性能】4.0
【打 感】4.0
【抜け感】5.0
【バンカー対応力】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:花道、バンカーともに56度
・使用シャフト:NSプロ Zelos 7(硬さS)
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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