【広島・平和記念式典】『平和への誓い』全文

2023年8月6日行われた広島市原爆死没者慰霊式並びに平和記念式の『平和への誓い』は以下の通りです。

【以下全文】

みなさんにとって「平和」とは何ですか。

争いや戦争がないこと。

差別をせず、違いを認め合うこと。

悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること。

身近なところにも、たくさんの平和があります。

昭和20年(1945年)8月6日 午前8時15分。

耳をさくような爆音、肌が焼けるほどの熱。

皮膚が垂れ下がり、血だらけとなって川面に浮かぶ死体。

子どもの名前を呼び、「目を開けて。目を開けて。」と、叫び続ける母親。

たった一発の爆弾により、一瞬にして広島のまちは破壊され、悲しみで埋め尽くされました。

「なぜ、自分は生き残ったのか。」

仲間を失った私の曽祖父は、そう言って自分を責めました。

原子爆弾は、生き延びた人々にも心に深い傷を負わせ、

生きていくことへの苦しみを与え続けたのです。

あれから78年が経ちました。

今の広島は緑豊かで笑顔あふれるまちとなりました。

「生き残ってくれてありがとう。」

命をつないでくれたからこそ、今、私たちは生きています。

私たちにもできることがあります。

自分の思いを伝える前に、相手の気持ちを考えること。

友だちのよいところを見つけること。

みんなの笑顔のために自分の力を使うこと。

今、平和への思いを一つにするときです。

被爆者の思いを自分事として受け止め、自分の言葉で伝えていきます。

身近にある平和をつないでいくために、一人一人が行動していきます。

誰もが平和だと思える未来を、広島に生きる私たちがつくっていきます。

【2023年8月6日放送】

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