『50周年記念特別公演「熱海殺人事件」バトルロイヤル 50’s』開幕

2023年の今年、「熱海殺人事件」は誕生から50周年。紀伊國屋ホール59年の歴史の中で、最も上演回数の多い作品であるつかこうへいの「熱海殺人事件」は、1973年の発表以降、翌年 1974 年に岸田戯曲賞を授賞、後に映画化される等、日本の演劇史上プロアマ問わず最も愛され上演され続けている作品(推定累計 8,500ステージ)。

キャストには、“東京警視庁にその人あり”と言われた木村伝兵衛部長刑事は、2020年ザ・ロンゲストスプリング、2021年1月ラストレジェンド、6月新・熱海殺人事件の3シーズンに渡り木村伝兵衛を演じ続けている荒井敦史と「エン*ゲキ」シ リーズ等で作家、演出家としても活躍している池田純矢とダブルキャスト。
ヒロイン水野朋子婦人警官には、2021 年ラストレジェンド、2022 年ラストスプリングで注目を集め、コアな熱海ファンの間でモストインプレッシブアクトレスと呼ばれた新内眞衣。
熊田留吉刑事は岡村演出作品にはかかせない存在の高橋龍輝と今年4月には映画『ゲネプロ★ 7』にて主演を務めた三浦海里。
犯人大山金太郎は多和田任益。熱海は、2017、2021 年に熊田留吉役、2020年には木村伝兵衛役を演じ、今回大山を演じ、紀伊國屋ホール公演初の全役制覇。
フレッシャーズ公演は、水野朋子役と大山金太郎役にオーディションメンバーを加えた公演で、選ばれたのは現在 TBS テレビドラマ『王様に捧ぐ薬指』にも出演している小日向ゆか 。そして、大山役は、2022年度関西演劇祭にてベストアクター賞を受賞し、今年『新・幕末純情伝』にも出演した北野秀気。エキサイト公演では、昨年『初級革命講座飛龍伝』ヒロイン役を熱演した佐々木ありさが水野役を。
初日前日。公開ゲネプロが行われた。

大音量の「白鳥の湖」、これはもう”お約束”、これがかかるとファンは「待ってました!」な気分になる。お馴染みのキャラクター、木村伝兵衛がドーンと登場、それから、水野朋子や熊田留吉が、お約束のセリフ「拾ってください」など、とにかく、何度も観劇している作品ファンなら次から次へと脳内にセリフが出てくることだろう。ただ、全てが全く同じ、というわけではない。

UP TO DATEされているところもあり、今、ニュースを賑わせている「ビッグ◯ーター」などの言葉も出てくるし、人気漫画「鬼◯の刃」も登場する。

公開ゲネプロの前に会見があり、出演者がほぼ全員出ていたのだが、本来出番がない俳優陣が(笑)、いろんな格好で出てくるところがあるので!ここはその日によって違う可能性が。また、会見でMCをつとめた久保田創が(笑)。お楽しみポイントと言えよう。犯人・大山金太郎はレイバンのサングラスをかけて客席からド派手に登場(お馴染み)、客席の視線は大山に。

ゲネプロでは荒井敦史、新内眞衣、高橋龍輝、多和田任益。組み合わせ、俳優のキャラクター、空気感によって変わる舞台、よって前に観たことがある、という方でも新鮮に映ることだろう。そしてつか作品の根底に流れるのは『愛』。木村伝兵衛も水野朋子も熊田留吉も大山金太郎も形は違えど、愛に溢れた人物。だから色褪せない、後半のアイコとの物語、熱いものが込み上げてくるはず。何度観ても新しい発見とこの作品の深さに改めて思い知らされる。

稽古の前に簡単な挨拶。
登壇者は荒井敦史、池田純矢、新内眞衣、高橋龍輝、三浦海里、多和田任益、佐々木ありさ、北野秀気、河毛俊作(総合演出)。

河毛俊作「熱海50周年、21歳の時に作られた芝居、つかさんとは割と親しくさせていただき、何本かやらせていただきましたが、熱海は初めて。『すごい芝居、書いたんだな』と。その凄まじさ、時代を感じさせない深さ、俳優に精神的肉体的に負担をかけさせて…つかさんに観ていただきたかった、とにかく若い方に観ていただきたい」

荒井敦史「紀伊國屋ホール、毎回、毎回、進化できるように」
新内眞衣「3回目の挑戦ですが、一緒にやらせていただく役者が代わると、何度演じても楽しい、多くの方々に見ていただけたら」
池田純矢「毎回フレッシュ。一本、一本…この作品にしかない熱量を客席に届けるので、それを持ち帰ってもらいたいです」
多和田任益「熱海は4度目です。3役やらせていただけて、今回は一番パワーを使いました。楽しい稽古期間、最後まで駆け抜けて行きたい」
高橋龍輝「また、帰ってこれて嬉しい。Wキャスト、数パターンありますが、みんな違ってて。楽しい演劇になると思います」
三浦海里「今回は熊田で関われるので嬉しい。気合い入れて髪を短くしました。アクセル全開で!」
佐々木ありさ「初めての挑戦です。仲間を信じて、紀伊國屋ホールで!」
北野秀気「がんばります」
また河毛俊作はテレビ版を演出したことがあり「つかさんが口立てでわけわかんない稽古場(笑)。今となっては懐かしい。テレビはうまくいかなくても編集できるが、舞台は送り出したら役者のもの、みんなを信じて!」とコメント。
また今回は様々な組み合わせがあるが、多和田任益は「三浦くんが不思議な感じ、今まで逆だったら」と語るが、全ての役を制覇したからこその感覚。佐々木ありさは「いろんな人と共演できる、個性が現れるのが面白いいろんな面が体感できて楽しみです」とキャストが変わることの面白さに言及。
最後に荒井敦史がPR。
「紀伊國屋ホールで『熱海殺人事件』出させてもらって感謝。本気で作品にぶつかっていって!いろんな組み合わせがあるので…どこかで誰かが急に出てくるかも????」とちょっと”予告”も交えて会見は終了した。

概要
日程・会場:2023年8月4日(金)~8月20日(日) 紀伊國屋ホール
作:つかこうへい
総合演出:河毛俊作
演出:岡村俊一
出演:
木村伝兵衛部長刑事 荒井敦史・池田純矢
婦人警官水野朋子 新内眞衣(スタンダード公演) 佐々木ありさ(エキサイト公演) 小日向ゆか(フレッシャーズ公演)
熊田留吉刑事 高橋龍輝・三浦海里
犯人大山金太郎 多和田任益 北野秀気(フレッシャーズ公演)
音響:山本能久 照明:熊岡右恭 映像:ムーチョ村松 衣裳:大野雅代 舞台監督:中島 武 宣伝美術:にいだなおこ 宣伝写真:神ノ川智早
制作:與儀早由
主催:紀伊國屋ホール
制作:つかこうへい事務所
企画・製作・主催:アール・ユー・ピー

公式サイト:http://www.rup.co.jp/

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