2025年以降のスーパーGT海外開催復活へ「候補はふたつある」と坂東代表。まず有力はセパンか

 8月6日、スーパーGT第4戦『FUJI GT 450km RACE』が開催されている静岡県の富士スピードウェイで、GTアソシエイションの坂東正明代表がGTA定例記者会見に出席した。このなかで、坂東代表は8月3日に発表された2024年のカレンダー、さらに2025年以降の海外開催復活について言及した。

 スーパーGTの2024年カレンダーは8月3日に発表され、2023年同様の全8戦が発表されていたが、このカレンダーについて坂東代表は、来季3月29日〜30日に東京で開催されるフォーミュラE、4月4日〜7日に変更されたF1日本グランプリの日程について触れつつ、世界選手権以外の国内のカレンダーについては、まずは「白紙の状態」からスーパーGTが埋めていったと語った。

 また、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久とのコミュニケーションをとりつつ、両シリーズとも「うまく回せるようにしたい」と坂東代表は語った。チームによっては複数カテゴリーに参加しているチームもあるが、「忙しいのであればもっと人を増やし、会社を大きくして欲しい。人を増やせば環境は良くなるし、産業として大きくするのであれば、そういった方に目を向けて欲しいし、それで解決できないのであればカレンダーについては対応したい。若手が入ってこられる環境を作って欲しい」と坂東代表。

 そして気になる海外戦については2024年は開催はないものの、2025年以降について「いま、やりたいと言っている場所がふたつある」と明かした。

「いちばん声が大きいのがマレーシア。その次は中国。ただ中国は、まだ対話がしっかり噛み合っていないところもある」と坂東代表。マレーシアはおなじみのセパン・インターナショナル・サーキットだが、中国はどうやら上海国際サーキットが候補のようだ。

 とはいえ、まだまだ開催には課題もある。「ロジスティクスの問題、また開催権料などの兼ね合いもあり、現段階では難しく、いろいろと模索しており、なんとかそこは解決していきたい」と坂東代表は言う。

 さらに「勝手に思っています」というプランとして、2024年からはGT500のウインターテストがセパンで復活することになっているが、これを発展させ、2025年にはGT500/GT300の全車を運びテストを実施、そのまま残って2月ごろに開幕戦としてセパンで開催するという計画もあるという。過去にも日本が冬の時期に東南アジアでテストを行い、そのまま開幕させる計画が存在していたが、これに近いものと言えるだろう。

 また2025年は、マレーシア政府が『ビジット・マレーシア・イヤー』というキャンペーンを計画しており、日本から多くの関係者、ファンが訪れるスーパーGT開催はこのキャンペーンにも合わせられる。現段階で、「以前に運んでいた頃の2倍値段がかかっている」というロジスティクスの問題など課題は多いが、セパンは関係者も良く知り、アクセスも良いコース。海外戦復活があるならば現段階で有力な候補と言えるだろう。

 なお2024年については、3月最終週に行われた富士公式テストがフォーミュラE東京開催のため1週間前倒しになり、岡山公式テストと2週連続になることも坂東代表は触れている。

2023スーパーGT第4戦富士 GTA定例記者会見に臨んだ坂東正明代表
2020年1月のスーパーGTセパンテストのナイトセッションを走るTRD開発車の90号車トヨタGRスープラ

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