中国艦、放水砲で物資補給を妨害 フィリピン軍が非難、南シナ海で

5日、南シナ海のアユンギン礁付近で、放水砲を使ってフィリピンの船を妨害する中国海警局の艦船(フィリピン沿岸警備隊提供・共同)

 【マニラ、北京共同】フィリピン軍は6日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)で5日、同軍拠点に兵員交代と物資補給のため近づいたチャーター船のうち1隻を中国海警局の艦船が放水砲を使って妨害したとし、強く非難するとの声明を発表した。日米はフィリピンへの支持を表明した。一方、中国は法に基づき排除したと主張した。

 声明は、中国側が船の乗組員の安全を無視し、国際法に違反していると批判。「人命を危険にさらす事故や誤算を防ぐため、責任ある行動」を求めた。南シナ海での中国の主権主張が国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所の2016年の判断で否定されたことにも言及した。

 日本の越川和彦駐フィリピン大使は「合法的な海洋活動の侵害」だとし「全く容認できない」と批判。米国務省もフィリピンを支持し、航行の自由を守るよう中国に要求する声明を発表した。南シナ海でフィリピンの公船が武力攻撃されれば、米比相互防衛条約の適用対象になるとも警告した。

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