安倍氏国葬、氏名の74%黒塗り 著名人、元議員ら不開示

内閣府から開示された「故安倍晋三国葬儀参列者名簿」。黒塗りの部分が目立つ

 昨年9月に東京・日本武道館で営まれた安倍晋三元首相国葬に関し、共同通信が内閣府に招待者名簿などを情報公開請求したところ、74%の氏名が黒塗りだった。安倍氏と交友があった著名人を含む「遺族・遺族関係者」は96%が、元国会議員は100%が不開示だった。政府は国葬を内閣府設置法上の「国の儀式」とし、約12億円の経費を全額国費で賄っている。公費の使い道として透明性が問われそうだ。

 文書によると、政府が国葬の案内状を送付した招待者は6175人だった。うち出席者は3436人。外務省が取りまとめた各国政府代表らは含まない。松野博一官房長官は昨年10月、参列者数は外国からの734人を含め、全体で4170人だったと発表している。

 遺族・遺族関係者の招待者数は1177人。氏名が開示されたのは安倍氏の首相秘書官を務めた省庁幹部、地元山口県内の首長や議員、東日本大震災被災地の岩手、宮城、福島県内の市長らで、計45人。プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら参列が当日確認された著名人もいるが、黒塗りにされたようだ。

安倍元首相国葬の招待者区分と黒塗り割合

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