【台風6号】暴風警報解除後も相次いだ大雨被害 本島北部「線状降水帯」で豪雨 大東島にも再び警報

 台風6号は6日午後8時現在、奄美大島の南東の海上にあり、ゆっくりとした速さで東に進んでいる。沖縄本島地方の暴風警報は解除されたが、大雨は続き、各地で冠水や浸水、土砂崩れなどの被害が相次いだ。本島北部で同日早朝、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生。北部では大雨特別警報が発表される可能性があり、玉城デニー知事は大雨や洪水、土砂災害へ最大級の警戒を呼びかけた。本紙の調べでは同日午後6時までに累計106人が負傷。床上浸水は少なくとも、うるま市で1件、床下浸水は同市3件、沖縄市と名護市、恩納村で1件ずつが確認された。大東島地方には同日午後、暴風警報が発表され、7日未明から明け方にかけて南北大東島に最も近づく見込み。

 沖縄気象台は沖縄本島のほぼ全域に土砂災害警戒情報を発表している。読谷村楚辺では土砂災害警戒区域で崖崩れが発生し、同村は警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」の避難情報を発表した。

 沖縄地方は6日夜にかけて線状降水帯が発生し大雨災害の危険度が高まる可能性があり、気象台は7日明け方にかけて厳重な警戒を呼びかけている。大雨で地盤の緩んでいる所があるため、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫が警戒され、早めの安全確保を求めている。

 県内では風にあおられて転倒が相次ぎ、新たに負傷者14人が判明した。北中城村で70代女性が頭部から出血、うるま市でも50代男性があごや肘に軽傷を負った。同市の30代男性が風にあおられ5メートルの高さから転落、頭部や腰に軽傷を負った。この台風で6日までに2人が亡くなっている。

 沖縄電力によると、台風6号の影響で6日午後8時現在、県内20市町村の1万5510戸が停電しており、停電率は2.4%となっている。県衛生薬務課によると6日午後4時現在、国頭村の辺戸区と伊是名村の一部で断水が続いている。

 県農林水産部は農林水産被害の第2報で新たに宮古、八重山地区の被害額を追加し、被害総額は5億5198万円と発表した。

 (座波幸代まとめ)

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