言葉と歌の力信じて 大和郡山で初、4年ぶり対面開催「わたぼうし音楽祭」 作詩・作曲の部に入選8組が出演

入選作品を紹介した第48回わたぼうし音楽祭=6日、大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホール大ホール

 障害のある人たちが書きつづった詩をメロディーにのせて歌う「第48回わたぼうし音楽祭」(奈良たんぽぽの会主催)が6日、奈良県大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホール大ホールで開かれた。コロナ禍で2020年度からリモートでの開催が続いており、対面は4年ぶり。これまで会場としてきた県文化会館(奈良市)が改装中のため、初めて大和郡山市内で開いた。

 障害のある人たちが書く詩には、生きることの喜びや悲しみ、命の尊さなどが歌いこまれており、今の社会へのメッセージにあふれている。「言葉の力・歌の力〜こころをつなぎメッセージ」をテーマにした今回の音楽祭には、作詞の部に325作品、作詞・作曲の部に305作品の応募があり、この日は作詞・作曲の部で入選した8組が出演。「紅色の花」を作詞した福原立春香さんは「初めて応募した作品が入選するとは思わなかった。詩はあまり書かないけど、作文とか文章を書くのは好き。人生を花束にたとえ、花弁は出来事。言いたい言葉をぎゅっと詰め込んで書きました」と話すなど、それぞれ思いを込めて作品を発表。歌声が会場に響くと大きな拍手や「ブラボー」の歓声が起き、市民を交え審査も行われた。

 奈良市の仲川元庸市長や大和郡山市の上田清市長も来場して挨拶。ひかり園音楽隊や、奈良市のバリアフリーダンスクラスの「シャマイム アート」、韓国の「メディア フィリング」なども出演した。

 審査の結果、「わたぼうし大賞」には、奥田実里さん(滋賀県近江八幡市)が作詞・作曲した「僕らが諦めたのは、」が選ばれた。

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