消費者物価指数が昨年に続く高い水準に…国民の負担増、識者も「本当に家計が成り立たない」と危惧

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、先日示された今年度の消費者物価指数の見通しについて取り上げました。

◆消費者物価指数が上昇、家計にさらなる負担が…

内閣府は7月20日の経済財政諮問会議で今年度の消費者物価指数が昨年度と比べて、2.6%上昇する見通しを示しました。この通りであれば、昨年度の3.2%上昇に続く高い水準となります。

岸田首相は会議で「国民生活への影響を見極めつつ、国民目線に立った対応を進めていく」と強調。物価高が長期化するなか、政府が景気を下支えするため、どのような対策を講じるかが今後の焦点となりそうです。

経済ジャーナリストの荻原博子さんは「(日本は)物価が上がっているのに、賃金は全然上がっていない。むしろ実質賃金は下がっている」と指摘。そうした状況にも関わらず"増税”の話がたびたび上がっていることに、「本当に家計生活が成り立たない。いいんですかこれで?」と憤りをあわらにします。

食文化研究家の長内あや愛さんは「(政府は)何もしてくれていないという意識がとても強いので、不信感というよりも(国民の)悲鳴は届いているのかと思う」と嘆きます。そして、世界を見渡せばロシアのウクライナ穀物の輸出再開阻止による穀物の不安定化、飼料の価格上昇などもあり食品の相次ぐ値上げがあり、それも家計の大きな負担となるため「(政府には)もっと深刻に考えていただきたい」と訴えます。

ジャーナリストの春川正明さんは「今年の春闘では、大企業を中心に賃金アップが結構あった」と述べた上で、「それが中小企業に波及していないことが問題という声もあるが、メディアも給料がアップしているところはあまり報道せず、苦しい部分ばかり。伸びているところは伸びていると評価するのもメディアのひとつの役割」と主張します。

これに対し、荻原さんは「確かにおっしゃる通り」と頷きつつも「給料が上がっているのが、どちらかというと今は人手不足で上がっている傾向が強い」とその背景について言及。その上で「50代ぐらいで子どもを抱え、学費を必要とする世代が一番困っている気がする」と案じます。

番組Twitterには、減税を求める声なども寄せられるなか、春川さんは「消費者として増税はしてほしくないが」と前置きした上で、「この国の社会保障が本当に若い人たちの将来のためになるのかと考えると、増税という選択肢はないと国のトップが言うのは不安」と語ります。これまで多くの政権が選挙を考え"増税はしない”と表明してきましたが「増税しないのであれば、その代わりに財源はどうするのかをちゃんと示していただきたい」と切望。

この日、アメリカ・ニューヨーク取材中で現地からリモートで出演しているキャスターの堀潤は物価について、「ここニューヨークでもこのところの物価高騰に関してはもう追いつかないという声も聞こえている」とし、「それだけにエネルギーは安く抑えてほしいとか他の分野でいかに圧縮できるか、国がやってほしいというリクエストも聞いた」と現地の様子を伝えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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