今年の食品値上げが3万品目を突破、次の値上げラッシュは何月?

今年、2023年1月から7月までの約半年で値上げされた食品が30,000品目を超えたことが、帝国データバンクの調べで分かりました。

2022年の1年間で値上げされた食品は約25,700品目で、現時点で昨年を大きく上回っています。2023年1年間での食品値上げは約35,000品目の予想です。記録的な値上げラッシュと言われた昨年から、約10,000品目も増える見通しで、異常なまでの値上げに目を見張るばかりです。


2023年後半に値上げされるのは?

7月は輸入小麦の売渡価格引き上げで、パンメーカー各社が食パンや菓子パンなどの一斉値上げを行いました。8月の食品の値上げは、醤油やだし類など身近な商品の値上げで、約1,000品目を予定していますが、昨年同月比で約4割に留まり、7ヵ月振りに減少となります。

しかし、10月には値上げ第3弾の波になる予定で、既にアルコール類や調味料、ハムなどの加工食品を中心に、約4,000品目の値上げが決定しています。年間累計では、バブル崩壊以降では記録的な値上げになっています。

読者の皆さんの中にも、普段の買い物でレジの会計が思ったより「高い!」と実感されている方も多いのではないでしょうか?

値上げを公表した30,000品目の中で、一番多かったのは調味料で約8,500品、全体の約3割を占めています。醤油や味噌、人気のだし入り調味料や麺つゆなどに及びます。値上げの理由は、原材料の高騰が全体の約93%、資源・燃料が82%、物流が65%と続いていて、消費者側からは「いた仕方ない」との声も多く聞かれています。食品以外でも、生活必需品のティッシュペーパーは今年に入り20%の値上げをしています。

また、公園、遊園地、水族館でも入園料などの値上げが相次ぎ、平均で約15%の上昇となっています。東京ディズニーリゾートでは今年10月から繁忙シーズンの料金が9,400円から10,900円になり、一気に1,000円を超える価格改定が行われます。生活全般に及ぶ値上げとあって、消費者の値上げ疲れやそれに伴う買い控えが目立ってきそうです。

値上げに対抗する節約術

値上げといえば節約を思い浮かべるので、私の知り合いの方数名に、どんな節約をしているか聞いてみました。

ある方は、手早くワンステップで味付けが可能な割高な使い切りの加工調味料をやめて、いわゆる料理の「さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)」を使い、和風味、中華味などを再現しているそうです。業務用スーパーなどの割安かつ大量に入っている基礎調味料を購入し、料理の「さしすせそ」をベースに和風にしたい時は鰹節や昆布を、中華風にしたい時はゴマ油やニンニクなどをトッピングして、市販の調味料の味に近づけているそうです。手作りの味付けは家族にも好評で、意外に楽しく乗り切れていると聞きました。

また、漬物も買うのをやめて自宅で塩漬けや、ぬか漬けを作ったり、お買い得な果物を見つけたら、砂糖で煮込んでジャムにしたりしているそうです。手軽にYouTubeやInstagramなどでレシピが入手できるので、便利に利用しているそうです。

他にも、窓から入る太陽の明るさが足りている時間帯はほとんどの電気を消している方、7月は晴れの日が多かったので洗濯乾燥機や布団乾燥機を使わず、外干しをして日光を有効利用した方、油物が無い食事の時は食器洗い洗剤ではなく割安な重曹に変え、下水を汚さないようにエコ活動と共に節約してる方などがいらっしゃいました。

一方で、家にある不用品をメルカリなどに出品している方はコロナ以降、多くいらっしゃる感じです。捨てるには惜しいが出番が少ない物(趣味のものなど)から、一般的な日用品に至るまで、好きな価格で売りに出せるのは魅力的なようです。部屋をスッキリさせて今の生活スタイルに合ったものを手に入れる良い機会になっているのだと思います。少しの時間的余裕と工夫次第で節約が可能なので、皆さんあまり苦にはならないようです。


今回は空前の値上げラッシュについてお伝えしました。値上げ品目の多さにため息が出るような状況ではありますが、普段何気なく当たり前のように買っていた物を見直し、本当に必要なものを選別して日常の暮らしを見直す良いキッカケにもなることもあるかもしれません。

相次ぐ値上げ、増税、猛暑など肩を落としがちですが、辛い時期こそ無理のない範囲で節約や工夫、知恵を活かし日々の生活に役立てる事はメリットだと思いました。しかし一方で、日本政府にはくれぐれも税金の無駄使いだけはやめて欲しいと、切に願う気持ちでいっぱいです。

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