【MLB】防御率トップなのにマイナー降格? マーリンズの有望株ペレスがメジャー復帰

写真:プレーオフ進出を目指すチームの救世主となれるか

プレーオフ進出を目指すマーリンズに頼れる戦力が帰ってきそうだ。

マーリンズのキム・アングGMは日本時間8月8日のレッズ戦でエウリー・ペレスがおよそ1ヶ月ぶりに先発することを明かした。

ペレスはドミニカ出身の20歳。MLBのデータサイト「Fangraphs」ではMLB全体3位のプロスペクトと評価されるなど屈指の有望株として知られ、今年メジャーデビューを果たした。ここまで11試合に先発し、5勝3敗、防御率は驚異の2.36。50イニング以上投げた先発投手の中ではトップの防御率を記録している。マーリンズの本拠地は比較的投手有利の球場であることを加味しても、素晴らしい成績だ。

そんなペレスだが、7月7日の登板を最後にマイナーリーグオプションを行使され、マイナーへ降格。その後は7月26日と8月1日にそれぞれ2.1イニング、3.1イニングを投げただけでメジャー再昇格となった。特に故障でもなく、また、成績からして不調というわけでもない。なぜこのような起用になったのだろうか。

「私たちはかなり計画を練っていました」キム・アングGMはMLB所属の番記者であるクリスティーナ・デ・ニコラ記者に語った。「彼(ペレス)とは練習、ブルペンでの投球をしっかりして、試合に戻ってくるようにと話をしていました。我々は単に計画していた通りにやっているだけです。以前から言っていたように、彼には休養を与えたいと思っていました。今がその時だと思ったのです」

現在のメジャーリーグでは、体がまだ十分にできあがっていない若手投手の投球回は厳密に管理されることが多く、どれほど優秀な投球を見せていても一定のイニングを消化すればその後は登板することなくシーズンを終えることが普通だ。まだ20歳のペレスもその例外ではなく、マーリンズはプレーオフ進出を争う中にも関わらず、計画的に彼を休ませる方針を取っていたのだ。

ペレスのマイナー降格後、時を同じくしてマーリンズの先発投手陣は不調に苦しんでいる。この1ヶ月間の先発投手防御率は4.42(30球団中17位)。その前の1ヶ月間には3.63(30球団中2位)だったことを考えると大きく悪化していた。トッププロスペクトの復帰が、先発投手陣へのカンフル剤になるかどうかに期待が高まっている。

ただ、このような状況であってもアングGMにはペレスを早期昇格させるプランはなかったようだ。「そういったこと(チーム事情)には全く影響されませんでした」アングGMは語った。「これまではいつも柔軟に対応しなければなりませんでしたが、今回については他のことに依存してはいませんでした」

アングGM以下マーリンズのフロントは、今季のプレーオフよりもペレスが長期的に活躍してくれることのほうがはるかに重要と考えているのかもしれない。

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