植物学者、牧野富太郎の写真発見 93年前、鳥海山で採集活動

山形県遊佐町の民家で発見された、1930年8月に牧野富太郎(奥中央左)が鳥海山で植物採集を行った際の集合写真(太田幹人さん提供)

 NHK連続テレビ小説「らんまん」主人公のモデルとなった植物学者牧野富太郎が、1930年8月に鳥海山(秋田、山形)で植物採集をした際の写真2枚が山形県遊佐町の住民宅で見つかった。大勢の人との集合写真も含まれ、高知県立牧野植物園の担当者は「牧野博士の採集活動にどれだけ多くの人が関わったかを示す貴重な資料」と高く評価している。

 写真は、遊佐町上蕨岡の神主太田幹人さん(63)の祖父俊賢さん=故人=のアルバムから見つかった。

 1枚目は、牧野を取り囲む約90人の集合写真。脇に「牧野博士一行、河原宿に於いて(昭五年)」のメモがある。もう1枚には、帽子にちょうネクタイ姿の牧野を囲む十数人の人物が写る。メモには「山岳講習会、先生並し幹部」とある。

 「牧野富太郎植物採集行動録」によると、牧野は30(昭和5)年8月5日に山形県師範学校教員で動植物の研究者だった橋本賢助らと蕨岡口から鳥海山に入山。6~8日は山中で泊まり、9日に下山した。牧野植物園によると、国の旧酒田営林署が企画した植物採集会ではないかという。

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