麻生氏、8日に蔡英文総統と会談 日台断交後、自民副総裁の初訪問

李登輝元総統の墓を訪れた自民党の麻生副総裁=7日、台湾北部の新北市(共同)

 【台北共同】岸田文雄首相(自民党総裁)に次ぐ自民ナンバー2の麻生太郎副総裁が7日、台湾を訪問した。8日には蔡英文総統と総統府で会談し、安全保障情勢などを巡り協議する見通し。自民によると、副総裁の公式な訪台は1972年に日本が台湾と国交を断絶後、確認できる限り初めてで現職の自民幹部としては最高位になる。中国の反発は必至だ。

 台湾側から招待を受けた麻生氏は7日に台北到着後、台湾北部の新北市入りし、民主化を推進した李登輝元総統の墓を訪れた。李氏の次女、李安ジ氏とも面会した。

 8日は台湾外交部(外務省)などが共催する国際フォーラムに参加し、東アジア情勢に関し講演する。蔡氏との会談では、台湾への軍事的圧力を強める中国を巡り意見交換する可能性がある。

 日本は72年の日中国交正常化に伴い台湾との国交を断ったが、自民は青年局幹部を定期的に訪台させるなど交流を続けてきた。昨年12月に萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長が相次いで訪台。今回の麻生氏の訪問で台湾を重視する姿勢がより鮮明となった形だ。

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