「夏休みに重い宿題…」マイナカードトラブルに漏れるぼやき 8日に中間報告

岸田文雄首相(資料写真)

 マイナンバーカードを巡るトラブルで政府が実施中の総点検の中間報告が8日に行われる。岸田文雄首相は再発防止策などをセットで示す意向だが、「ミスの報告数字が膨らんで対策が具体性を欠けば、国民の不信や不安を増幅しかねない」(自民党幹部)状況。関係省庁や自治体などからは「夏休みに重い宿題が降ってくる」(全国市長会関係者)とぼやきが漏れる。

 岸田首相は総点検を巡り、カードの取得者向けの専用サイト「マイナポータル」を引き「閲覧可能な29項目すべての個人情報の扱い方が適正か調べる」と繰り返している。一方で「これが対象の29項目」と一括して説明する政府広報は行われていない。

 「そもそも29って何?」とぼやく関東の政令指定都市の幹部は「制度の全体像だけでなく利便性も課題も見えない中で数字だけが一人歩きしている。住民も不安だが、職員もこれからどんな点検が降ってくるのか分からず戸惑うばかり」と苦言を呈した。 

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