最年少当選県議の無免許運転 所属会派「除名処分」 所属する党「離党届受理」 本人は?=静岡

現役県議の無免許運転が様々な余波を起こしています。2023年4月の静岡県議選で最年少当選を果たした中山真珠県議(28)が無免許運転をしていた問題で、所属する国民民主党県連が離党届を受理しました。ただ、この離党という選択には疑問の声も上がっています。

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<中山真珠県議>
「1万4428名の方々の思いにしっかりとこれからの仕事で応えていかなければいけないという責任をとても感じ、今ちょっと足が震えるぐらい、とても重要な仕事をこれからさせていただくんだなと実感しています」

4月の県議選で初当選した国民民主党の中山真珠県議(28)。

<中山真珠県議>
「これから自分の目で見ていきながら、良いものは良い、悪いものは悪いと、きちっと言えるように励んでいきたい」

戦後最年少の県議として注目を浴びながらも謙虚な姿勢を見せていた28歳が、今度は違った形で、世に知れわたることとなりました。

中山県議は、5月16日で運転免許が失効していたにもかかわらず、8月4日、静岡市葵区で無免許運転をしていたことが明らかになったのです。

<ふじのくに県民クラブ 田口章会長>
「県政に対する不信感、そしてご迷惑をおかけいたしましたこと、心からお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした」

中山県議が所属する県議会第2会派の「ふじのくに県民クラブ」は、中山県議を除名すると発表しました。

一方、国民民民主党県連は、5日に提出された中山県議からの離党届を受理しました。

<国民民主党 県連 田中健会長>
「当選したばかりで将来もあるということで、私たちはまず離党届を受理し、本部に上申するという決断をきょうはさせていただきました」

気になるのは「離党」という選択です。近年、不祥事を起こしても議員辞職はせずに離党でけじめをつけるというケースが相次いでいます。

8月5日、洋上風力発電を巡る汚職事件で家宅捜索を受けた自民党の秋本真利衆議院議員が離党届を提出。

また、県内では「パパ活疑惑」をめぐって静岡5区の吉川赳衆議院議員が離党届を提出していますが、いずれも国会議員を続けています。

離党を選ぶケースが増えると政治不信が高まっていくと専門家は警鐘を鳴らします。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「党に向かって仕事をしているのか、国民・住民に向かって仕事をしているのか、そういうところが問われている」

不祥事の代償が離党では済まない事例もありました。

<木下冨美子元都議>
「東京都議会議長に辞表を提出することを決断した」

2021年、東京都議だった女性は無免許運転をして離党を表明したものの、それでは収まらず、結局、議員辞職を選ぶことになりました。

離党した議員は、次の選挙で支持が得られない可能性があるほか、無所属になると政策への影響力が下がるというマイナス面が生じます。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「過去の事例を見ると、離党しても多くの批判が集まってしまうという前例があるので、潔い決断も1つの選択肢に入ってくるのでは」

<井手春希キャスター>
ここからは県政担当の植田記者とお伝えします。4月に当選したばかりの新人議員による不祥事ですが、県議会への影響はどんなことがあるのでしょうか。

<植田麻瑚記者>
7月、静岡県議会で行われた川勝知事に対する不信任決議案の採決結果です。可決ラインに1票届かず、否決されました。反対したのは、ふじのくに県民クラブのみだったんです。

白鳥教授は「中山県議が辞職すると会派に動揺が広がり、一枚岩になれず、再び不信任決議が出された場合には可決される可能性がある」と話します。ただ、中山県議は当時反対票を投じていたのですが、県議会唯一の国民民主党の議員ということもあってか、自身のSNSで「今後の自分の立ち位置を支援者や党と相談して決めていきたいと投稿していました。議員を続けたとしても、ふじのくに県民クラブには厳しい状況になりそうです。

中山県議は現在、党や会派に対し、「議員辞職については考えていない」と話しているそうですが、8日、本人による記者会見が開かれる予定で、進退が注目されます。

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