岸田内閣の支持率は4ポイント強の低下、約35%に 7月世論調査まとめ

7月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。

岸田内閣の支持率は2ヶ月連続の低下

7月の調査では、岸田内閣の支持率は先月より低下を見せる形となりました。全体としては約39.3%から、約34.9%になっています。5ヶ月連続の上昇を経て、2ヶ月連続の低下となりました。

個別の調査を見ても、支持率の低下は顕著と言えます。日本経済新聞・テレビ東京の調査においては、6月23‐25日の調査より1.0ポイント上昇の40.0%になっていますが、それ以外の調査ではすべて支持率が低下しています。

もっとも低下した共同通信の調査においては、6月17‐18日の調査より6.5ポイント低下の34.3%になりました。次いで低下したJNN(TBSテレビ)、読売新聞・日本テレビの調査においては、前回よりそれぞれ6.0ポイント低下の40.7%、35.0%となっています(前回調査はJNNが6月3‐4日、読売新聞・日本テレビが6月23‐25日)。

内閣不支持率は、対照的に6月の調査より上昇しました。全体としては約43.5%から、約48.6%となっています。
もっとも上昇したのはJNNの調査で、前回より8.1ポイント上昇の56.4%になりました。それ以外の調査もおおむね不支持率は上昇しており、唯一日本経済新聞・テレビ東京の調査は、前回と変化なしの51.0%になっています。

自民党の支持率は菅内閣発足以降で最低水準、立憲・維新はほぼ変化なし

政党支持率はいかがでしょうか。まず与党である自民党の支持率は、前回の調査から微減という結果となりました。全体としては約32.5%から、約31.0%になっています。なお、これは菅義偉政権が発足した2020年9月以降としては、最も低い水準になっています。
もっとも支持率の上昇した日本経済新聞・テレビ東京の調査では、前回より2.0ポイント上昇の36.0%になりました。反対に、もっとも支持率の低下した共同通信の調査では、前回より5.4ポイント低下の30.1%になりました。

野党第一党の立憲民主党の支持率は、前回より変わらず~微減という形になりました。全体としては約6.3%から、約6.0%になっています。
もっとも支持率の上昇したNHKの調査では、6月9‐11日の調査より1.0ポイント上昇の5.1%になりました。反対に、もっとも支持率の低下した日本経済新聞・テレビ東京の調査では、前回より3.0ポイント低下の6.0%になっています。

支持率では立憲民主党を上回っている日本維新の会の支持率は、前回よりほぼ変わらない状態となっています。全体としては約8.0%から、約8.1%になっています。
もっとも支持率の上昇した読売新聞・日本テレビの調査では、前回より3.0ポイント上昇の9.0%になりました。反対に、もっとも支持率の低下したJNN(TBSテレビ)の調査では、前回の調査より2.3ポイント低下の5.6%になっています。

支持率低下の要因としては、ひとつにはマイナンバー制度、ひいてはそれをめぐるさまざまなトラブルがあると考えられます。たとえば、読売新聞・日本テレビの調査においては、「マイナンバーカードを巡るトラブルへの対応について、岸田首相は、指導力を発揮していると思いますか、思いませんか」という問いに対し、「思う」が12.0%であったことに対し、「思わない」は80.0%になりました。また、毎日新聞・社会調査研究センターの調査では、「マイナンバー制度に不安を感じますか」という問いに対し、「不安は感じない」が25.0%だったことに対し、「不安を感じる」が63.0%と、マイナスの評価が目立つ形となりました。現在、自民党所属(離党が決まりました)・秋本真利衆院議員への資金提供疑いの問題が取りざたされていることもあり、8月にはさらなる変化が見込まれます。

<参考>
JNN(TBSテレビ) 世論調査(7月1~2日実施、回答数1207)
NHK 世論調査(7月7~9日実施、回答数1218)
ANN(テレビ朝日) 世論調査(7月8~9日実施、回答数1023)
時事通信 世論調査(7月7~10日実施、回答数1184)
共同通信 世論調査(7月14~16日実施、回答数1034
選挙ドットコム 世論調査(7月15~16日実施、回答数997)
朝日新聞 世論調査(7月15~16日実施、回答数939)
読売新聞・日本テレビ 世論調査(7月21~23日実施、回答数1052)
毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(7月22~23日実施、回答数1022)
日本経済新聞・テレビ東京 世論調査(7月28~30日実施、回答数904)
(データ分析・執筆:若林良)

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