貿易黒字、1年8カ月ぶり 6月収支、3287億円

青海コンテナ埠頭。奥は羽田空港=2022年、東京都江東区青海3丁目

 財務省が8日発表した6月の国際収支速報によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3287億円の黒字だった。黒字は2021年10月以来1年8カ月ぶり。原油高の一服で輸入額が減少する一方、半導体不足の緩和で自動車の輸出が伸びた。訪日客が増えて旅行収支の黒字額は前年同月比約11倍の2948億円となった。

 これらの結果、海外とのサービス、投資の取引を含む経常収支の黒字額は約3倍の1兆5088億円だった。黒字は5カ月連続。ただ、海外経済の減速を背景に輸出の伸びは小幅だった。

 貿易収支の内訳をみると、輸出は0.5%増の8兆6302億円、輸入は14.3%減の8兆3016億円となった。

 海外投資で生じた利子や配当の動向を示す第1次所得収支の黒字額は9.0%減の1兆6825億円だった。

 同時に発表した23年上半期(1~6月)の経常収支の黒字額は前年同期比11.1%増の8兆132億円と、上半期ベースで2年ぶりに増えた。

経常収支と貿易収支の推移

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