中村獅童「唯一、可愛がってくださって…」無名のころから支え続けてくれた、歌舞伎界の『亡き恩人』への感謝を語る

歌舞伎役者で俳優の中村獅童が4日放送の日本テレビ系『Google Pixel presents ANOTHER SKY (アナザースカイ)』に出演。長年お世話になった、故・中村勘三郎さんへの思いを明かした。

父親が早くに歌舞伎を辞め、芸を継承する歌舞伎の世界において親や師匠がいなかったという獅童。好きだから歌舞伎を始めたが「血筋はあるけど、どこかに弟子入りできる立場でもないし、父親がいないっていう状況だけで、“しょうがない”って当たり前のレールの前を走ってきたら、いまだに主役とかはやれてないでしょうね」と、どれだけ不遇だろうと常に道を切り拓き今日まできたことを告白。

諦めそうになっても挑み続け、30歳を過ぎてようやく大役に抜擢されるようになったが、それまでずっと希望を持たせ続けてくれたのが、十八代目・中村勘三郎さんだった。無名だった24歳当時の獅童を、勘三郎さんが大役に抜擢(ばってき)したことを振り返り、当時お世話になったお茶屋の女将さんが「初めて見たんですけど、中村獅童さん、あの人絶対に売れる」と勘三郎さんに話したという。すると勘三郎さんは、「俺が見つけて抜擢(ばってき)したんだよ」と受け答えたことを明かされると、照れ笑いした獅童。

「あの当時、唯一、哲明(勘三郎さんの本名)さんが可愛がってくださって。“あんなに夜でもロック歌ってる時、弾けるんだから、芝居でも絶対できるはずだよ”って言ってくださった。“歌舞伎もロックでいいんだよ”って。それで歌舞伎の中でも自分を少しずつ出せるように。あれはひとつ弾けた瞬間でしたよね」と、勘三郎さんから送られた言葉を思い起こし、「だから勘三郎兄さんに、お座敷とか連れて来ていただいても、勘三郎兄さんの芝居の話とか、歌舞伎についての演技論の話がもう楽しくて。“聞き逃すまい”ってずっと隅っこの方で話聞いてたことが、今、僕の、これはもうかけがえのない財産だと思ってますね」と、親がいない分、後ろ盾となって支え続けてくれた勘三郎さんへの感謝の思いを明かし、締めくくった。

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