【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン通算15週目の首位、トラヴィス・スコットTOP10に2曲送り込む

モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算15週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

7月22日付以来3週ぶりに返り咲き、今週で首位獲得週を15週目に更新した「ラスト・ナイト」。首位獲得15週はHot 100史上4番目に長い記録で、デュエットやゲストをフィーチャーした楽曲を除く、アーティスト単体の曲としては、昨年同15週を記録したハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」と並ぶ、史上最長記録を達成した。

()内は初めて首位を獲得した週
19週 リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年4月13日)
16週 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995年12月2日)
16週 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年5月27日)
15週 モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年3月18日)
15週 ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年4月16日)
14週 ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(1992年11月28日)
14週 ボーイズIIメン「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(1994年8月27日)
14週 ロス・デル・リオ「マカレナ」(1996年8月3日)
14週 エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(1997年10月11日)
14週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年6月4日)
14週 ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(2009年7月11日)
14週 マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年1月17日)

1位に到達した3月18日付からの首位獲得週は以下のとおりで、今週で4度目の返り咲きを果たしている。

3月18日(1週)
4月15日~22日(2週)
5月6日~7月8日(10週)
7月22日(1週)
8月12日(1週)

これまで4回目の返り咲きを達成したのは、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」とハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」に続く3曲目の快挙で、史上最多タイ記録となる。なお、「ラスト・ナイト」は3位に初登場した2月18日付から今週(8月12日付)まで約半年間TOP3にランクインし続けていて、現時点では3位以下にランクダウンしていない。

「ラスト・ナイト」は、今週の集計期間中(7月28日~8月3日)にエアプレイが6,720万回(10%減少)、ストリーミングが2,670万回(8%減少)、セールスは7,000(11%減少)をそれぞれ記録。ストリーミング・ソング・チャートで1位から3位、エアプレイ・チャートで2位から4位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは6位から7位にそれぞれランクダウンした。

カントリー・ソング・チャートでは今週24週目の首位を獲得して、1958年に集計が始まった同チャートにおける4番目に長い記録を更新している。なお、歴代最長記録はビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ラインの「メント・トゥ・ビー」で、2017~18年に50週という大記録を打ち立てている。

その他、ポップ・エアプレイ・チャートとアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートではそれぞれ5位にランクインし、カントリー・エアプレイ・チャートで8週目、今年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでは10週目の首位をそれぞれ獲得した。

「ラスト・ナイト」に続き、ルーク・コムズの「ファスト・カー」も先週の3位から2位に上昇して、今週4度目の2位復帰を果たしている。エアプレイが好調で、先週から4%増加の7,740万回に上昇した。

続いて今週3位には、トラヴィス・スコットとドレイクによるコラボレーション「MELTDOWN」が初登場。同曲は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場したトラヴィス・スコットの新作『ユートピア』の収録曲で、本作からは今週5位にも「FE!N feat. プレイボーイ・カルティ」がデビューした。今週2曲が初登場したことで、トラヴィス・スコットは通算14曲目のTOP10入りを果たし、TOP5に2曲を同時ランクインさせる自身初の記録も達成している。

プレイボーイ・カルティは、2020年に最高7位を記録したドレイク名義の「Pain 1993 feat. プレイボーイ・カルティ」に続く2曲目のTOP10入りで、ドレイクは史上最多の69曲目に記録を更新した。

69曲 ドレイク
42曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
32曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン

初週のストリーミングは「MELTDOWN」が3,220万回、「FE!N」が2,560万回をそれぞれ記録して、「MELTDOWN」は今週のストリーミング・ソング・チャートで1位に初登場した。同チャートでの首位獲得は、トラヴィス・スコットが5曲目、ドレイクは17曲目にタイトル数を更新している。

「MELTDOWN」は、その他R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでもそれぞれ1位に初登場していて、前者ではトラヴィス・スコットが6曲目、ドレイクが28曲目、後者ではトラヴィス・スコットが6曲目、ドレイクは29曲目のNo.1タイトルを獲得した。

両曲の間、今週4位にはテイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」が先週の6位から上昇して、最高位更新と通算27曲目のTOP5入りを果たしている。なお、ドレイクも前述の「MELTDOWN」でTOP5の記録を歴代最多の36曲目に更新した。

36曲 ドレイク
29曲 ザ・ビートルズ
28曲 マドンナ
27曲 マライア・キャリー
27曲 テイラー・スウィフト
24曲 ジャネット・ジャクソン
24曲 リアーナ
21曲 エルヴィス・プレスリー(1958年8月以前の記録は含まない)
20曲 ジャスティン・ビーバー
20曲 マイケル・ジャクソン
20曲 スティーヴィー・ワンダー

「クルーエル・サマー」は、2019年8月にリリースした7枚目のアルバム『ラヴァー』に収録されていたナンバーで、当初は2020年夏にシングルとしてリリースすること予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により見送られた。

今年約4年越しにチャートインしたのは、現在開催中のツアー【The Eras Tour】の反響を受け2023年6月20日に正式なシングルとしてリリースされたからで、特に伸び率の高いエアプレイは前週から10%増加の6,440万回に上昇し、6週連続でその週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得した。Airplay Gainerを6週連続で獲得したのは、2022年4月~6月にジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」が達成して以来となる。

レマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」は先週5位から6位にダウンしたが、エアプレイ・チャートでは今週8,920万回(2%減少)を記録して7週目の首位を獲得し、アフロビーツ・ソング・チャートでは今週首位獲得週を史上最長の49週目に更新した。

先週4位に上昇したガンナの「FukUMean」は今週7位にダウンして、ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイスの「バービー・ワールド(with アクア)」は8位をキープ。オリヴィア・ロドリゴの「ヴァンパイア」は先週の10位から9位にワンランクアップした。

続いて今週10位には、先週12位にランクインしていたデュア・リパの新曲「ダンス・ザ・ナイト」が上昇して、以下に続く5曲目のTOP10入りを果たしている。

「ニュー・ルールズ」(2018年 最高6位)
「ドント・スタート・ナウ」(2020年 最高2位)
「レヴィテイティング」(2021年 最高2位)
「コールド・ハート(プナウ・リミックス) with エルトン・ジョン」(2022年 最高7位)
「ダンス・ザ・ナイト」(2023年 10位)

「ダンス・ザ・ナイト」は、7月21日に全米公開された映画『バービー』のサウンドトラック『バービー・ザ・アルバム』に収録された曲で、本作からは今週8位にランクインしている「バービー・ワールド(with アクア)」に続く2曲目のTOP10入りを果たした。

同じサウンドトラックから2曲以上がTOP10入りしたのは、昨年ヒットしたディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』から、「秘密のブルーノ」(5週間1位)と「増していくプレッシャー」(最高8位)がランクインして以来のチャートアクションとなる。

映画『バービー』のヒットにより、「ダンス・ザ・ナイト」はエアプレイが5%増加の4,230万回、ストリーミングは6%増加の1,530万回にそれぞれ上昇。セールスは前週から若干数したが、今週も6,000とほぼ同率を維持している。

先週、登場2週目で1位に到達したジェイソン・アルディーンの「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」は、ストリーミングが47%減少の1,620万回、セールスは85%減少の26,000に急落して、今週21位に大きく順位を下げた。1位を獲得した翌週TOP20圏外にランクダウンしたのは、以下に続く6曲目のワースト記録となる。

トラヴィス・スコット「フランチャイズ feat.ヤング・サグ&M.I.A.」(2020年10月17日付 1位から25位)
BTS「Life Goes On」(2020年12月12日付 1位から28位)
ニッキー・ミナージュ&シックスナイン「トロールズ」(2020年7月4日付 1位から34位)
テイラー・スウィフト「ウィロー」(2021年1月2日付 1位から38位)
JIMIN「Like Crazy」(2023年4月15日付 1位から45位)
ジェイソン・アルディーン「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」(2023年8月12日付 1位から21位)

なお、「トライ・ザット・イン・ア・スモール・タウン」は今週のHot 100では21位にランクダウンしたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは3週目の首位をキープしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月11日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
3位「MELTDOWN」トラヴィス・スコット feat. ドレイク
4位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
5位「FE!N」トラヴィス・スコット feat. プレイボーイ・カルティ
6位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
7位「FukUMean」ガンナ
8位「バービー・ワールド」ニッキー・ミナージュ&アイス・スパイス with アクア
9位「ヴァンパイア」オリヴィア・ロドリゴ
10位「ダンス・ザ・ナイト」デュア・リパ

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