広島東洋カープが引き分けた3日のDeNA戦(マツダ)の延長十回。マウンドに向かう直前の矢崎と、九回で降板した床田が、ベンチ横の階段で短い会話をしていた。激励か、打者の情報か。後日聞くと、矢崎が「うろ覚え」としながら、教えてくれた。0―0のしびれる展開からは想像できない、2人ならではの世界だった。
矢崎 情けねえな、降りんなや。
床田 代打出たやん。
矢崎 お前だったら打てたのにな。
床田 まあな。
床田のことを「天才だと思っている」と語る矢崎は、十回を三者凡退に抑えた。同期で同学年、互いを尊敬する2人の主人公。スコアレスドローの試合で輝いた。