厚労相、長期の賃上げ継続を期待 春闘の効果反映、名目賃金プラス

 厚生労働省が8日公表した6月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)は、実質賃金が15カ月連続のマイナスだった一方、現金給与総額(名目賃金)は18カ月連続でプラスとなった。賃上げ回答が相次いだ今春闘の効果が反映されたとみられ、加藤勝信厚労相は記者会見で「長期にわたり、賃金引き上げの流れが出てくると期待している」と述べた。

 6月の現金給与総額は前年同月比2.3%増の46万2040円だった。うち基本給を中心とした所定内給与も上昇した。一方、現金給与総額から物価変動の影響を差し引いて算出する実質賃金は1.6%減。物価高騰に賃金の伸びが追い付かない状況が続いた。

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