「皇室と岡山」後期展スタート 日本文化の豊かさ伝える優品堪能

円山応挙の「牡丹孔雀図」などに見入る入場者

 皇室に代々受け継がれてきた絵画や書、工芸品を郷土作家の作品と共に展覧する特別展「美をたどる 皇室と岡山~三の丸尚蔵館収蔵品より」(山陽新聞社など主催)は8日、後期展がスタート。会場の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)にはこの日も愛好者らが足を運び、日本文化の豊かさを伝える優品を堪能していた。

 宮内庁三の丸尚蔵館(東京)が収蔵管理する約9800点もの美術工芸品から約80点をえりすぐり、県立美術館の所蔵品を加えて紹介。後期展では一部展示替えし、新たに17点がお目見えした。

 注目を集めるのは、江戸時代を代表する絵師円山応挙が手がけた絢爛(けんらん)な「牡丹(ぼたん)孔雀(くじゃく)図」。羽毛の柔らかさまで感じさせる緻密な描写と華やかな色彩は、写生画で一世を風靡(ふうび)した大家ならでは。明治画壇の巨匠橋本雅邦の「龍虎図」はにらみ合う龍と虎の迫力がみなぎり、衣裳(いしょう)人形の重要無形文化財保持者(人間国宝)平田郷陽の「瑞鳥(ずいちょう)」は肩にとまった小鳥を見やる少女のかれんさが目を引く。

 総社市、パート女性(55)は「皇室ゆかりとあって素晴らしい作品ばかり。見ているだけで優雅な気持ちになりました」と話していた。

 27日まで、21日休館。

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