無免許運転発覚の中山県議…議員は続ける意向 今後の川勝県政に影響の可能性も 静岡県

無免許運転が発覚した静岡市清水区選出の中山真珠県議は、8日、会見を開き、謝罪した上で議員を続ける意向を示しました。一方で、自民党会派は中山県議に辞職を求めていく方針を固めました。

紺色のワンピースにジャケットという姿で会見場に現れた中山真珠県議。3か月前、白のスーツに身を包んだ時と比べると…髪はばっさり、いくらか痩せた面持ちで、まるで別人のようでした。

( 中山真珠県議)

「多大なるご迷惑とご心配をおかけし、政治全体に対する不信感を抱かせてしまったこと、心よりおわび申し上げます、大変申し訳ございませんでした」

会見冒頭こう述べると、約15秒間、深々と頭を下げました。2023年4月の県議選で史上最年少当選を果たした中山真珠県議は、8月4日、静岡市葵区で違反切符を切られた際、警察官に免許の提示を求められ「無免許運転」が発覚しました。さらに7日、所属会派などの会見で、免許の失効に気付いた後も運転していたことが明らかとなりました。

中山県議は無免許運転が発覚する3日前の8月1日、免許が失効していたことに気付いていて、翌日、運転免許センターに手続きに行っています。その際も車を運転していったということです。会見で「なぜ、免許の失効に気付いた後も運転したのか」を問われると…

(中山真珠県議)

「(4日)午後1時から静岡駅付近で打ち合わせの予定があったが、午前中の予定が立て込んでしまい、車で向かってしまったということです。(私の)順法意識の低さ故だと思っております」

さらに記者から、議員としての進退を問われると、言葉を詰まらせながらこう話しました。

(中山真珠県議)

「すいません、もう少し考える時間を頂きたいと思っております」

さらに、「それは議員を続けたいということなのか」と問われると…

(中山真珠県議)

「辞めることで責任を取るというよりは、今回のことを深く反省し、一層仕事にまい進することで罪を償っていきたい」

こう述べ、議員を続ける意向を示しました。

中山県議に対しては、所属する会派のふじのくに県民クラブが除名処分を決定。また、国民民主党は、中山県議の離党届を受理しましたが、玉木代表は8日、現時点では議員辞職までは求めないと話しました。

(国民民主党 玉木代表)

「とにかく今はしっかりと、犯した過ちを償うために、有権者県民に対して説明とおわびを丁寧に行っていくことを求めたい」

一方、県議会最大会派の「自民改革会議」は、中山県議に対する辞職勧告決議案を提出する方針を固めました。

(自民改革会議 増田享大代表)

「議員活動を続けることは認めにくい、辞職を求めていく。無免許運転という罪の大きさ、事実が発覚した以降、運転している中で、取り締まりにあったということは重い」

無免許運転が発覚しながら、無所属で議員を続ける意向を示した中山県議。県議会の勢力図にも影響を与えることになりそうです。

無免許運転について謝罪したうえで、議員を続ける意向を示した中山真珠県議の動向は、今後の川勝県政にも影響を与える可能性があります。

県議会をめぐっては7月、自民党会派が50年ぶりに知事への不信任決議案を提出しました。このときは自民の40人に加え、公明と無所属の県議あわせて10人も賛成にまわりましたが、川勝知事を支える「ふじのくに県民クラブ」の18人が反対したため、可決に必要な出席議員の4分の3となる51議席までわずか1票届かず否決されました。

中山県議に対しては、失効に気付いた後も無免許運転をしていた事実を重く見て「ふじのくに県民クラブ」が7日、除名処分を決定。中山県議は無所属となりました。

これにより、もし、もう一度、知事への「不信任案」が提出され、無所属になった中山県議が「賛成」にまわった場合は、「不信任案」が可決されることが考えられます。中山県議の不祥事が、県議会の勢力図に与える影響について問われた川勝知事は…

(川勝知事)

「そのことと中山県議が免許証が失効しながら運転したのは違う。それはそれ、それと他のことを一緒にするべきではない」

Q:県政運営がより慎重になることは?

「常に県議会の関係は大切にしてきた、これまで通り」

このように話しましたが、今後は、より慎重な県政運営が求められることになりそうです。

中山県議は8日、もう一度不信任案が提出された場合の対応について「どのような経緯で出されるかによって自分自身で判断したい」と話しています。中山県議がこのまま辞職せずに議員を続けた場合、今後の川勝県政に影響を与えるかもしれません。

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