【速報】比パラワン島の日系人ら 戦後の苦難を議会で初演説

太平洋戦争中に日本軍が島民を虐殺したフィリピン西部パラワン島で8日、日系人の代表と支援者が戦後初めてパラワン州議会に招かれて演説した。日本人の祖先の多くが抗日ゲリラに殺され、戦後も反日世論におびえてきたと強調。戦後78年を迎え、相互理解の機運が生じる中、日系2世の日本国籍回復に向けて協力を要請した。戦後、島の日系人のほとんどは生い立ちを隠して生活苦を耐え抜き、昨年、ようやく日系人会を結成したばかり。議員らは、パラワン日系人会のルマワグ会長ら8人のほか、支援団体「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」(東京)の猪俣典弘(いのまた・のりひろ)代表理事を拍手で迎え、動画を交えた演説に聞き入った。猪俣氏は「2012年に初めて島を調査した際、名乗り出た日系2世は2人だけだった。今は『私の父も日本人だ』と明かす人が各地で相次いでいる」と説明した。2世は平均83歳といい「生きているうちに国籍を回復できるよう協力してほしい」と呼びかけた。

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