岡山県内の難聴の高校生ユニット「DUMBO(ダンボ)」を軸とするチームが、手話を織り交ぜたダンスパフォーマンスの全国大会「手話ダンス甲子園」(9月23日・兵庫県福崎町)への出場を目指している。県内からは唯一で、まずは12日に倉敷市である西日本予選の突破が目標。健聴者のメンバーの協力で、聞こえづらさを乗り越えながら練習に励んでいる。
手話ダンスは、踊っている曲の歌詞を手話で伝えることで聴覚障害者により楽しんでもらうのが狙い。普及を目指し、日本パラアート協会と兵庫県福崎町が初めて開く。
DUMBOは難聴児らの通所施設・岡山かなりや学園(岡山市)で知り合った倉敷高2年天野七夏さん(17)と倉敷翠松高1年吉井優芽さん(16)が約3年前に立ち上げ、2人で地域の祭りなどに出演している。SNS(交流サイト)で全国大会のことを知り、出場を決意した。
演目の振り付けと指導を頼んだダンス講師の提案で、真庭市などに住む教え子ら中1~高3の9人が仲間に加わり、チーム「silent(サイレント) voice(ヴォイス)」を6月に結成。心の声を手話で届けようとの思いを込めた。
7月上旬から岡山市のスタジオで週1回ペースで練習。初日は天野さんが「一番大切な君」「未来へ走りだそう」といった歌詞の手話を健聴者のメンバーに伝授、振り付けや立ち位置を確認した。
吉井さんとともに人工内耳を装着しているが、時に曲が聞きづらくテンポがずれることも。そんな時にはメンバーが肩に触れ、気付かせてくれるという。
予選の舞台は倉敷市水江のイオンモール倉敷で、表現力やチームワークが審査対象となる。決勝戦に進めるのは上位のみ。2人は「多くの人に手話を知ってもらえるチャンス。優勝も狙いたい」と意気込んでいる。
予選は正午からで観覧無料。問い合わせは日本パラアート協会(jparaart@gmail.com)。